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「佐助、かすがは元気なの?」
「あー……そっか、知らないんだよね……」
「かすが……?そういえば、謙信公の元にそのような忍がいたはず」
「やっぱり、そうか……」
春哉は溜め息を吐き、政宗の隣に静かに腰を下ろす。
それを見て、今まで立っていた佐助も、幸村の隣に座る。
「先日、武田と上杉の戦いの偵察に行った時、佐助とかすがらしき人物が戦っているのを見掛けたから、気になってたんだ」
「え、来てたの?」
「遠くから様子を探っただけだよ」
「何、気付かなかったのか、佐助」
「ゴメンね、旦那。かすがに気を取られて、気が付かなかったみたい」
「まぁ良い。して、何故かすがという忍の話に?」
「そうだぜ、春哉。詳しく説明しろ」
政宗と幸村に迫られ、春哉は苦笑いだ。
だが、佐助は助ける気がないようで、むしろ聞く気満々だ。
渋々、春哉は口を開く。
「かすがが、俺の初恋の子だからです」
「What?!」
「は、破廉恥な!!」
「やっぱりそうなんだー」
幸村は叫び、政宗は何故か怒り気味だ。
そんな中、佐助だけがニヤついている。
と、天井裏から微かな気配。
春哉と佐助は目を合わせ、頷き、天井裏へと消えていった。
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