旧友との再会


「よい、しょ」

鷹の脚から手を離し、客間に近い廊下に降り立つ。
餌をねだる鷹に好物を与えつつ、客間の様子を外から探る。

「政宗と小十郎様、それに客人が二人かな?」

呑気にそんな事を言っていると、いきなり襖が開く。
そこに立っていたのは、迷彩の服を着た忍。

「って、佐助?」

「あれ、俺様の事知ってるのー?」

「昔一緒に修行したじゃん!」

「あ、もしかして春哉?!」

「そーそー!久しぶりだな!!」

「久しぶりー」

思わず、春哉と佐助は抱擁する。
それを、政宗はつまらなそうに見ている。

「Hey,春哉。猿と知り合いなのか」

「俺様、猿じゃないから!!」

「うん。一緒に修行したんだ」

「え、無視?!」

三人で騒いでいると、戸惑いを含んだ声が上がる。

「政宗殿、そちらのお方は?」

「真田、コイツは俺の忍の、春哉だ。春哉、コイツが真田幸村、今日の客人だ」

「おお、貴殿は忍であられるのか!!」

「はじめまして、柏木春哉と申します」

ただでさえ騒がしかった客間は、幸村が加わった事で、さらに騒がしくなる。
そこへ、お茶を持った成実が来た。

「お茶が入りましたよ、っと」

「成実殿、かたじけない」

「いえいえ。あ、春哉帰ってたんだ」

「はい、これが頼まれていたものです」

「む、それは!!」

思わず幸村は声を上げた。
当たり前だ、自分達が土産として城下で買った団子の包みと、同じだったからだ。
佐助は、思わず苦笑いを零す。

「そういえば、春哉は甘味が好きだったねぇ」

「なに、佐助!何故それを言わなかったのだ!!」

「俺様も知らなかったの!春哉が独眼竜に仕えてるなんて」

また、客間が騒がしくなる。
が、その雰囲気を静めたのは、意外にも春哉だった。



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