本日の任務


「政宗様!執務をなさいませ!!」

「shit!小十郎が来たか」

先の戦から、一月程経った日。
城内では、恒例となった主従の追いかけっこが繰り広げられていた。

「いい加減、ご覚悟なさいませ」

「頼む、小十郎、代わってくれ!」

「なりません。領主たるもの、何事もご自分でなさりなさい」

主従、というよりも、兄弟か親子のような会話である。
それにしても、政宗の逃げ足は、速い。
みるみる内に小十郎と離れていく。

「致し方ない……柏木!!」

「承知しました」

「ズリィぞ小十郎!」

何処からか影が政宗の前に降り立った。
そして、そのまま政宗を捕らえる。

「さあ、政宗。執務をしようか」

「春哉、お前あの量見たか?」

「見たさ。政宗が今までどんだけサボってたのか、一目瞭然だよ」

「そーそ、梵はもっと真面目に執務をするべきだよー」

「成実様、おはようございます」

三人が騒いでいると、そこに成実が来た。
即座に春哉は膝をつき、頭を下げる。

「おはよー。任務完了、ご苦労様」

「有り難きお言葉」

「ところで。春哉、今暇?」

「任務でしょうか?」

「いや、客が来るから、甘味でも買って来てもらおうかと思ってね」

「承知しました。買って参ります」

「Hey、春哉。団子にするといいぜ」

「かなりの数を買った方が無難だな」

「なんせ甘味大好きな人が来るからねぇ」

「はぁ…」


三人の言葉に首を傾げつつ、城下へと向かった。


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