こんにちは、危ない人達


空一面を厚い雲が覆っている。
そんな日の昼時、神崎巧はひたすらパスタを作っていた。
「そろそろ…来るな」

そう呟いた瞬間、ドアが大きな音を立てて開く。

「いらっしゃいませ、お好きな席へどうぞ」

「シシッ、ガラガラじゃん」

「ムム、この店、大丈夫なのかい?」

「今日は臨時休業ですよ」

「あらん、私たちのためかしらン?」

「ええ、勿論」

先程まで静かだった店内は、一瞬にして賑やかになった。
そう、今日はかの有名なボンゴレの独立暗殺部隊が来たのだ。

「こんにちは、ザンザスさん。昼食にパスタは如何でしょうか?」

「ハッ、悪くねぇな」

「う゛ぉおい!もっと他に言い方があるだろぉがぁ!!」

「黙れカス、消えろ」

ザンザスが振り上げた腕を、巧は静かに止めた。

「ザンザスさん、あんまり此処で暴れないで下さい。掃除が大変なんですよ」

「それ、ちょっと論点ズレてまーす」

「あれ?見たことないカエルさんだねぇ」

「フランって言いまーす」

「神崎巧です。カエルは趣味かい?」

「カエルはベル先輩に被らされてるだけなんで、誤解しないで下さーい」

「あぁ、成る程ね。カエルってことはマーモン君の部下?」

「そーですねー」

「ムムッ、カエルと僕を直結しないでくれる?」

カエルの話で盛り上がりつつ、パスタを盛りつける。
ザンザスの分は、豪勢に。
マーモンは少なく。
ベルのは少し飾り付けて。

毎回言われているからか、もう習慣になってしまった。

「あれ、レヴィさんは?」

「シシッ、あいつ煩いから置いて来た」

「気持ち悪いですからねー」

「散々な言われようだね……」


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