「そういえば、綱吉君。帰らなくていいの?」

「ん?平気だよ。隼人が喜んで仕事してるからね」

「……人を使うのが上手いんだね」

前に見せて貰ったアルバムを思い出しながら、巧は溜め息をついた。

「あんなにかわいらしい少年が、どうやったらここまで捻くれるんだか……」

「家庭教師のお陰かな」

「あぁ、リボーン君ね」

先程、ツナを探しに来たリボーンを思いながら、巧は苦笑いを浮かべる。

「リボーン君も大変だね」

「あ、またリボーンの肩を持つ!たまには俺の苦労も知って欲しいよ……」

「分かってるつもりだよ?」

そっと、ツナの前にクッキーが乗った小皿を差し出す。

「だからこうして、クッキーをあげるし、ボンゴレの人から匿ってあげてるんだよ」

「まあ、ね。俺、巧さん居なかったら、本当に過労で死んじゃうと思うんだ」

ツナが、いやに真面目な顔で言う。
それに吹き出しつつ、ふと大切な事を思い出す。

「そういえば、明日は臨時休業ですから」

「え、なんで!!」

「明日はお店、貸し切り状態になりそうなので」

「あ………ご迷惑をおかけします」

苦笑いで理由を述べる巧を見て、ツナは悟り、心からの謝罪を言う。

明日、この店を占領するであろう物騒な部隊を思い浮かべながら………


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