隣に感じる暖かい温もりにすりよっていく。なにこれちょー暖かいじゃん。するりとその暖かさに足を絡めるとピクリと震える感覚が伝わってきた。最近寒かったからなぁ。俺寒がりなのに、母さんったら「まだ毛布ださなくても大丈夫でしょ」なんて言って。俺は秋にさえトータルネックを着ちゃうほどの寒がりなの!そして夏には家中パンツ一枚で扇風機2台つけるほどの暑がりなの!
「んー…、?」
心地よい暖かさによって覚醒しかけてた思考を再度まどろませていた時だ。なんだか俺の下半身がむず痒い。きもちーんだけど、こんな爽やかな日曜日の朝に感じていい気持ちよさじゃないっていうか、変な放尿感が堪らないっていうか……。
「う…?」
うあぁ、なにこの絶妙な指使いは。俺自身でもこんなにうまく触れないんですけど。なんか変な敗北感があるな…、くやしい。あれ、なんかこれ以上はやばくないか。あまりの快感に腰がぶるりと震える。ちょっと今起きないと放尿感がはんぱないし出ちゃいけないものが出ちゃいそうだしなんかなんかなんかぁ…っ!!
「うあぁぁぁあぁっ!!!」
自身の睡魔に打ち勝って飛び起きた俺はグッと下半身に力をいれた。そうでもしないと色々出てきちゃいそうなんだよぉ…っ!健全な男の子の心情察してくれたら分かるはず分からないキミは純粋なままでいてね!って、なんで朝からこんな状態になってるワケ?俺の息子さん暴れん坊すぎない!?
「っ…あ、じょーたろー…」
飛び起きた俺の隣にはベットの中に入って俺の顔を見上げる承太郎がいた。起き上がりだからか呂律がまわんない、うぅ…。ってお前なに俺のベットに入ってんだよ。まさか俺の寝顔見てたんじゃあないだろうなぁ!恥ずかしいからやめてっていっつも言ってるのに…、と言うことは暖かさの正体は承太郎? ていうか何で俺の部屋にいんの?いや、いつも学校ある日は起こしに来てくれるけどさぁ。今日は日曜日だよ?
「なんでいんの?」
首をこてりと傾げた俺に反応を返さない承太郎。カーテンの閉まった薄暗い部屋で承太郎の瞳が薄暗く、けれどもごうごうと激しい感情が燃え盛っているように見えた。だからって俺の質問をスルーしていい理由になんてならない。俺の話聞いてんのかも怪しいもんだ。
部屋には俺と承太郎の息遣いだけ。外から聞こえるちゅんちゅんという小鳥の声は窓ガラスに阻まれて微かにしか聞こえない。無反応な承太郎に内心腹を立ててた俺だけど、承太郎がこっちをジッと凝視してることに気づいた。んん、なんだ?不思議に思う俺の気持ちが通じたのか、承太郎は人差し指で俺を指差す。
「それ、」
「ん?」
承太郎は熱い息を吐きながらちらりと赤い舌を覗かした。
「それ、勃ってんぞ」
承太郎の指先をたどって視線をむけてみると、完全に戦闘態勢な息子さんが。 ちょっとまっうわぁぁぁ!!なんで今日はこんなに元気なんだよ目の前に俺よりデカイ息子さんもってる奴いるんだからちょっとくらいは恥じらい持てよお前はぁ!
「俺が鎮めてやろうか?」
バッと自身のものを押さえつけた俺の手の奥を未だジッと凝視してた承太郎は意地の悪い顔をしたかと思うとびっくりするくらいの艶かしい声を発する。
「…ぁ、っ、あほか…っ!!!」
ニヤリとあやしい笑みを見せる承太郎に一発グーパンしてから俺は内股でトイレに早歩きで向かって行った。承太郎の声を聞いた瞬間質量を増した自身には気づかないふり。薄暗い部屋から出た廊下には太陽の暖かい光りが溢れていたが薄暗い部屋にいた俺には眩しすぎた。
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