「赤也」
「なんスか?」
「なまえちゃん。待ってるよ」
「え?」

部室で着替えていると先に支度を終えて出ていったはずの幸村部長が帰ってきた

「校門のところにいるから早く行ってあげな」
「はいっ!」

じゃあね、と言ってまた部室を出て行く部長に感謝しつつ急いで着替える
部室を出るとき後ろから丸い先輩と仁王先輩が冷やかす声がしたけど気にしない。

校門まで走っていくとそこには寒そうに縮こまっているなまえ先輩がいた

「なまえ先輩!」
「あ、赤也」

名前を呼ぶとくるっと振り返って俺をみた。かわいい

「あ、じゃないッスよ。なんでいるんスか?」
「駄目?」
「だっていつも先に帰っちゃうから…」

帰宅部のなまえ先輩は基本的に俺より先にひとりで帰ってしまう
ほんとなら一緒に帰りたいし、暇なら部活見て下さい!って言ってみたけど人混みがキライ。という理由で断られてしまったのだ

「委員会が長引いたから、ついでにね」
「え!俺ついでッスか?」
「冗談よ。ね、早く帰ろ」

ギュッと小さい掌が恋人つなぎに俺のに絡まって、心臓がどくん、と跳ねた。

「うっわ、赤也あったかい!」

嬉しそうに繋いだ手を上げてもう一方の手でさらに包まれた。

「冷たっ」
「赤也が遅いからでしょー」
「んじゃ俺があっためないとッスね」
「は?」

先輩の声には答えないで手を重ねてみると冷たかったのがじわりじわりと温かくなって、心までぽかぽかとした。

「おおー」
「どうスか?」
「ぽかぽかで幸せー」
「俺は先輩と手ぇ繋げて幸せー」
「何ソレー」
「へへっ」

手を普通に繋ぎ直して気持ち大きく手をふる。
ガキみたいにぶらんぶらんと。
楽しい。
くすぐったい。
すっげー幸せ。


「あーかや」
「はい?」
「好きだよ」
「!」





前言撤回。

かなり非常にぐれーと幸せ!












何気短編一発目。


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