「ぐぇっ」
「相変わらず色気のない声ですねー、なまえさん」
「うっさい」

もう春も半ばのはずなのに、気温は8℃。
寒くて寒くてしょーもなくて目の前で俺と同じように寒さに悪態をついてたなまえさんに抱きついた。

「どうしたの光。今日はデレの気分?」
「うっさいです、誰もデレてへんし」
「だって光が自分からぎゅうするなんて…」

あ、やばい。なまえさんアホや。ジャージのチャックちゃんと閉めへんから胸元から下着丸見えになっとる。

「ちょっ、何すんのよ!」
「目の保養は俺だけで充分ですよーって」
「は?」

チャックを首まであげてやったけどなまえさんは何がいけなかったのかわからんみたいやった。
なまえさんってアホやのに無駄に胸大きいから危ない。いや、ちゃうちゃう。頭に行くハズの栄養が全部胸にいってまったんやな、きっと。
おん、納得。

しばらくじーっと無言でコートでキャッキャキャッキャしとる謙也さん達を見てたけど、なんか飽きてきた。
なんかすごくサボりたい気分。

「なまえさん、気いつけてくださいよ、ほんまに」
「なにが」
「なんでも。っと、」

胸の件を注意しとったら強風が吹き付けてぶわっとなまえさんの長い髪を舞い上がらせた。
反射的に手に力が入って密着度があがり、なまえさんの手も俺の腕を掴んだ。
あ、なんか可愛ええ

「ねー光」
「なんすか」
「今日練習サボりたいです」
「奇遇やわ、俺も」

寒いしなまえさん可愛いしムラムラするし。部活サボってお持ち帰りしてあったまりたい。

「白石部長まだ委員会でしたよね」
「うん。謙也たちももうコート行ってるし」
「俺んち久しぶりにきます?」
「ココアよろしく」









翌日朝練に行ったら白石部長がなまえさんを正座させとったから逃げようとしたら捕まった。
ホームルームが始まるギリギリの時間まで部長の説教は続いて足の感覚は完全になくなってしまった。
でもそれでなまえさんがよろけて俺に抱きついてくれた。結果オーライ。部長GJ。


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -