「なまえ、膝かして」
「うん?」
「眠くなっちゃった。次サボろう」
「もー」

精市と付き合ってわかったことはたくさんあるけど、その中でも意外に思ったのは、彼は決して優等生というわけではないということ。

二人分のお弁当を片付けて(わたしが作ってる)横にどかすと満足そうに頭を乗せた精市がなんとなくかわいくて髪を撫でる。

「精市の髪ふわふわだねー」
「なまえの髪はさらさらだね」

腕をのばして私の髪をその綺麗な指で撫でるから不思議と私の髪までキラキラしてみえる。

「寝るんじゃなかった?」

そのまま三つ編みを作りはじめるものだから笑ってしまう。

寝るためにサボったのにこれじゃ意味がない。

「あ」

屋上に備え付けられた特別大きいスピーカーからチャイムが鳴る。
サボり確定。

「寝るとなまえの顔見れないじゃん」
「いつも見てるじゃん」
「寝てる間に面白い顔してくれるかも」
「しません」

だったら最初から寝るなんて言うなって感じなんだけど。

「ふふっ」
「なんですかー」

編んでいた髪をほどいてまたすきはじめた精市がいきなり笑う。

「膝枕してもらいたかっただけだよ」
「は?」
「恋人っぽいじゃない」
「そういうもん?」
「そういうもん」
「わかった」

精市の言葉は何故か納得してしまう。
どんな理不尽なことでもくだらないことでも。

たぶん俗に言う惚れた弱みってやつなんだと思う。

「精市くんはすごいねー」
「うん?」













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精市くんは白でも黒でも
逆らえない人だと思う。


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