すきなところ



彼の好きなところ


「なあ、見てこれマジ馬鹿じゃから」
「うん、そうだね」
「なーあー、ほんまウケるから!絶対笑うから!」
「そうだねー」
「なーあー!」


”なあ”って言うのが好き。
ちょっと怒るのに笑ってるところが好き。
可愛くって好き。



「あー、これテンポ悪くて駄目じゃな」
「そうかな」
「おん。おもんない」
「まあ確かに面白くはないね」
「あ、くそここでCMか」


テレビ見てるとき、いちいち喋ってくれるのが好き。
何気にお笑いに厳しいところが好き。
一緒にテレビ見るの、大好き。



「美味しい?」
「おん」
「どこが美味しい?」
「えっ!普通に全部」
「具体的に」
「え、えっと、えっと、海老!」
「ふーん」
「えっ、怒ったん?めっちゃ美味い!本当に全部美味いから!」


面倒くさいこと聞いても嫌そうにしないところが好き。
美味しそうに食べるところが好き。



「なあなあ俺のどこが好き?」
「胸鎖乳突筋」
「はあ!?」
「雅治君の胸鎖乳突筋、素敵な形してるよねー」
「‥‥どこ、それ」
「ここ。首の、頸動脈の近くのこれ」
「あ‥触らんで、なんか怖い」
「いやあ、良いわあ」
「怖い!怖い!」


首の形が好き。
喉仏も好き。
真っ白で好き。



「気持ちええ」
「ん、私も気持ちいいです」
「俺のが気持ちええよ」
「そう」
「おん」


髪の毛が柔らかいのが好き。
目の細め方が好き。



「好いとうよ」
「‥‥‥‥」
「なんか言って」
「恥ずかしいなあもう」
「好きなんじゃもん仕方ないです」
「はっずかしい‥‥」


恥ずかしいことをすぐに言うところ、ちょっと嫌い。
恥ずかしい。照れる。
それでも、私のこと大好きなところが、好き。
雅治君が、大好き。



彼女の好きなところ



「一緒に風呂入りたい」
「いや」
「えーなんで」
「なんでって、狭いし」
「広かったらええの?」
「いいよ」


あっさりドキッとする事、言うところが好き。
振り回されてばかりな気もするけど好きだから別に良い。
振り回されるの、好き。



「私ね、女子力って言葉嫌い」
「なんで」
「わからない。ただ凄い気持ち悪い。おばさんとかが使ってるんだよ!?女子って‥女子って‥‥」


あと女子会とか草食系とか婚活とかも嫌いだって。
ワイドショーとか女性週刊誌とかに載ってそうな言葉。
そういうのが嫌いって、他の人には言えないって言っててニヤッとした。
必死に空気を読む彼女を想像したら凄く可愛かった。



「こらっ」
「‥‥すまん」
「うん。だめよ?」


怒るとき、”こらっ”て言うの、大好き。
全然怒ってないような言い方で、好き。
”もう”も好き。



「雅治君!雅治君!」
「ん?」
「なんでもないっ」
「ええー」
「うふふふふ」


すぐ酔っ払うところ、ちょっと心配。
俺の前でだけなら良いのに。
そう言ったら「雅治君の前でぐらいだよこんなに酔っ払うの」って。
それってどうゆう意味。それってどうゆう意味。



「眠いん?」
「んー」
「俺、帰るな」
「‥‥んー、なんで」
「寝るんじゃろ?」
「んん‥‥寝る‥」
「じゃあな」
「んー‥‥なんで?」


眠いときに甘えてくるの、好き。
喋ってる途中で寝ちゃうところも、好き。



「好いとうよ」
「‥‥‥‥」
「なんか言って」
「恥ずかしいなあもう」
「好きなんじゃもん仕方ないです」
「はっずかしい‥‥」


照れると目をなかなか合わせてくれないの、超可愛い。
冷たくなるところ、超可愛い。
好き。まじで好き。






他人はそれを、バカップルと言う

prev next

 しおり 目次へ戻る
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -