とりあえず好印象です



仁王雅治君の第一印象




イケメンくん

無口

大人っぽい




あと、どこの地方の方言かはわからないけど、喋り方が印象的。


ぜよ、とか言ってたし、坂本竜馬?高知?

謎だ。



それと、チャラそうな見た目に反して、部活を頑張っているみたい。



私は地元が違うから知らなかったけど、立海大のテニス部といったら強くて凄く有名らしい。

整形外科の先生が言っていたから多分確実な情報。


そんな全国区な部活でレギュラーだなんて、相当頑張ってるんだろう。

二週間の休養ってなったとき、サボれてラッキーじゃ なんて言っていたけど、きっと私を気遣っての発言だったんだろう。



いい子だ。





イケメンでクールでミステリアスでテニスが
強い、さらに気遣いができるなんて。



モテるだろうなあ。私も同じ学校だったら絶対に憧れていただろう。




ああ!そんな子になんてことを‥!








でも、あの場に仁王君がいなかったら、と思うとゾッとする。



骨折、半身不随、死


あったであろう可能性を考えると彼に感謝してもしきれない。




そんな恩人の為だったら、タクシーくらいいくらでも呼んじゃうってもんだ。






立海大附属中学の前で部活に参加すると言った仁王君を見送った。




それにしても



デカい。綺麗。大きな建物がいっぱいある。



え、ここ中学だよね?高校も一緒になってるのかな?


小中高大と全て公立だった私にはちょっとしたカルチャーショックだった。





(帰ろう。)






待ってくれていたタクシーを帰して、すぐそばにあるバス停に向かう。
そのままタクシーで帰ってしまいたかったけど、この学校からうちのアパートまで少々距離がある。

電車で帰ろう。

新社会人の私にしたらちょっとした出費でも抑えたいのが本心で。

仁王君に帰りも迎えに行くよっていったけど、彼は遠慮した。バスと電車で帰れるから大丈夫じゃ、と。

気を使われてしまったかも。

情けないなあ。









いずれ出世して、お給料沢山貰えるようになったら、タクシー好きなだけ乗り回してやる。


そう心に誓う。



(30歳までに主任、そしてゆくゆくは、経営者側の人間になりたい。)

それが入社一年目の私の目標だった。もちろん誰にも言ってないけど。




仕事頑張ろう!


私、絶対に職場の一つ上の男の先輩よりも野望に満ち溢れているなあ。そう思い苦笑い。





(あ、バスきた)

(とりあえず家帰ったら掃除と洗濯)

(あと、仁王君になにかおかず作って差し入れようかな)

prev next

 しおり 目次へ戻る
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -