3Bプレゼンツ ボタン争奪じゃんけん大会



※Mar.あおげばとおとし の番外です。
ヒロインでません。オリキャラが多少出ます。









「さー入った入った!仁王雅治と丸井ブン太のボタン争奪じゃんけん大会始まるよー!」



そんなことを廊下で叫んでいるのはクラスで良くつるんでいた大木。

「おい、仁王。何だよアレ」

「いや、何が何やら」

「おい!大木!お前なに勝手なことやってんだよぃ!!」

丸井が大木にそう怒鳴る。

「いや、最初はオークション形式にして売上をクラス会の費用にしようかと思ったんだけどな、先生に怒られたから健全にじゃんけん大会にしたんだよ」

オークションは流石に無理じゃろ‥それでじゃんけんか。

「そーゆーことじゃねーしっ!!」

丸井が怒鳴る。

「良いじゃねーか。もうボタンいらねーだろ?それに丸井は特に良く女子にもの貰ってんだから少しは還元しろよ」

「いや、俺はここに存在しているだけで還元出来てるだろぃ」

「うわっ丸井うぜーなマジで!!」



こいついわく、「お前ら二人はうちのクラスの財産だからな!」らしい。







同じクラスの男子数人が仕切る中、気が付けば教室内には女子の大群‥確実に飽和状態の人口密度。

半ば強制的に丸井と二人で教壇に並ばされる。

女子達が目を輝かせてこちらを見ている。

うわっこれは恥ずかしい。大木、斉藤、小林‥覚えておけよ。心のブラックリストに首謀者であろう奴らの名前を追加する。


「じゃあまずは丸井ブン太のネクタイ!いきますよー!じゃーんけーん‥」












***

一時間後


壮絶な戦いじゃった‥

もうやだおんなこわい‥

なんだかんだと初めは割とノリノリだった丸井もだんだんと表情が無くなり、死んだ魚の目をしとった。

カーディガンも取られ、ブレザーまで持ってかれそうになったときはさすがに勘弁して下さいと懇願した。



オークション形式ではなかったものの、教室入り口で入場料をとるからちゃっかりしている。「募金」という体をとっているから先生も文句は言えないらしい。

[写真撮影可]

そうかかれた募金箱もとい入場料入れを見る。こんなもの用意されているあたり

‥計画的犯行か。あの野郎‥







「仁王、クラス会でねーんだろ?」

「おお。でんよ」

「んだよ相変わらず協調性ねーのな、お前」




騒がしいのが苦手で授業もサボりがちな俺は三年のクラス替えの後、クラスから少し浮いていた。丸井以外のクラスメイトとなかなか打ち解けられんかったところ、最初にしつこく話しかけてきたのが、大木じゃった。

それからだんだんと打ち解けて。

「おい大木マジで高等部入ったら覚えとけよマジで。今日の倍返ししちゃるわ」

「ははっ。まあまた仲良くしてやるよ。」



同じクラスになれるといーな。そう言って笑う大木に蹴りを入れてやった。


まあ悪くないクラスじゃった。言わんけど。


蹴りを入れられたのに大木は嬉しそうにまた笑う。














(あ、そーだ。クラス会出ないぶんなんか奢ってやるよ。今日の稼ぎの半分お前のおかげだし)

(じゃあハーゲンダッツ。二人ぶんな)

(うわっ!リア充爆発しろよ)


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