Magic Green!!!本編 | ナノ
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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -
08.

程なくしてクラウスとギルベルトが到着し、ツェッドが温室から姿を現した。K.Kは非番で、チェインはもうすぐ着くはず。ザップは毎度の如く遅刻だろう。ミーティングの時間が近付いた頃、キィ、とアユの自室の扉が開いた。

「あっ、おはようございます、みなさん」

先程と違う服装で現れたアユは、何やらローブのようなものを纏っている。真っ白な生地に、緑の蔦のような刺繍が所々施されている。

「うむ。おはよう、アユ。疲れは取れただろうか」
「はい、お陰様で」

そうニッコリ笑って、事務所のソファがある辺りまでやって来て、時計を確認する。

「よかった、間に合った……」

ほっと一息ついているアユに、レオナルドが話しかける。

「アユ、部屋に時計無いの?」
「はい。どうやら忘れていたみたいで……後で色んなものを買いに行かなきゃなぁと思ってます。ミーティングが始まるまで、ご飯食べててもいいですか? クラウスさん。給湯室の冷蔵庫に、色々置かせてもらってるので……」
「ああ、構わない」

給湯室へ向かっていったアユを目で追いながら、スティーブンは先程いれた濃いめのブラックコーヒーに口をつけた。
ここに馴染むのがあまりにはやすぎる。それが今のスティーブンの率直な感想だった。昨日は驚きの連続で、うまく新入りのことを分析する余裕がなかったが、こうやってじっくり観察していると、まるでずっと前からここにいたかのように、人にも、家具にも、空気にも、アユは馴染んでいるのだ。

「才能ねぇ」

人たらしとか、女たらしとか。散々に言われてきたスティーブンだが、そこにはそう見せている部分もあって。それを言われてこその、演技であったりもするのだ。
スティーブンは、昨日アユがクラウスに渡していた、天然100%の日本産の小さな植物のことを思い出していた。
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