それから彼女には彼女の友達や学校の先生がいろんな事を教えていた。
まず名前。
名前は田所雪子。
知能は劣ってないが、自分も含めて今まで関わってきた人物を忘れているらしい。
僕は、雪子に何も教えれなかった。
雪子が僕を忘れた事はきっと嘘なんだ。全部嘘。
「櫻野くんと私はどんな関係?」
「…え」
いきなりそう問われた。
「気になるの?」
「うん」
「…まぁ、初等部からの知り合いかな。幼なじみって言うのかな?」
「初等部からなんだぁ。長いね」
「そうだね」
雪子が9歳の時に名前はアリス学園に来た。そして中等部に上がって僕と雪子は付き合いだした。
あぁもう4年も付き合ってるんだ。
皮肉なもんだ。
今の君はどこまでも最低だ。
どうして僕は素直に付き合ってたと告げれないんだろうか。
理由なんか知っている。
ただ怖いんだ。
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