雪子ちゃんが倒れた。
あの日そう言われた時、不思議と冷静だった。
だって雪子が居なくなるわけは無いから。
倒れたといっても、きっと無事なんだろうなと思った。
しばらく入院をするらしいが、いつか退院するんだろ。
また会えるんだろ。
そう思って生徒会の仕事をしていた。
だけど次に会った雪子は雪子では無かった。
頭を打って倒れた。
そう聞いていた。それは間違っていない。どんな経由で頭を打ったかは聞いていないが、とりあえず、頭を打って倒れた。
打ったのは頭だけなので雪子はぴんぴんしてる。具合が悪いなんて事はないらしい。
だけど、全てを忘れてしまっていた。
僕の事も自分の事も。
会えれば良いってもんじゃないんだけどな。
「はじめまして」
そう言わなきゃいけない理由がわからない。
恋人同士なのにね。
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