お風呂に入って頭までポカポカである。

気持ちも体もさぁ寝ようって時に愛しい恋人は学校からそのまま来た私の鞄を見つめて「高等部はもうテスト終わったんだよね?見せて?」なんて。



「ほらーまた赤点ぎりぎり!」
「私は悪くないんだよ!
あの先生教え方が下手いんだ。」
「そんな事言わないのっ。」


そう言ってデコぴん。地味に痛い。


「あー。私が初等部ならナルの授業受けれたのにな〜。」
「僕は国語担当だけどね。
君は数学がやばいんですよ。」
「んー。でもナルと今よりはもっと一緒に居れるじゃん。」


持っていた数学のテスト用紙を四つに折る。


「あ、そうだねぇ。
でも僕は小学生には手出さないなぁ。」
「蜜柑ちゃんと寝たくせに!」
「いやいや寝ただけだから。」


困ったように笑いながら頭をぽんぽんと撫でてくる。
学校が疲れたからか眠い。
心地良くてもう寝てしまいそうだ。


「まず生徒は家に呼びません。」
「…私も生徒じゃん。」
「その前に恋人でしょ。」


なんて恥ずかしい事を言うんだこいつは。照れ隠しに笑いながら四つに折ったテスト用紙をさらに折る。

サラッと言ってくれるもんだ。


普段なかなか会えないし、教師と生徒だからやっぱり私は子供扱い。
所詮高校生だもんなぁ仕方ない。って思ってたらこんな事を言うんだ。


私の不安なんか気にもせず。大人の余裕ってやつか恐ろしい。


「じゃ、寝ようか。」
「うん。」
「まぁ蜜柑ちゃんみたいにタダでは寝かさないけど。」
「…。」
「んーどうしたの?
早くおいで。」
「…はぁい。」



これも大人の余裕か。
恐ろしい。














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