いつからだったかなんて覚えてない。
気がつくと目で追うようになっていた。
何年もこの学園に居ると恋とか愛とかわけわかんなくなって、だから私が翼に恋してるなんて思ってなかった。
翼に恋しても翼には美咲が居て。
本人達は何て言ってないけど、私には入れない空気があって、正直悔しい。
だから早く忘れたい。
忘れたいんだ。
「…だからって俺んとこに」
「は?黙れよバカ殿」
「やつあたりかよ…」
悔しくて悔しくて悲しい気持ちよりもイライラした気持ちの方が勝り、つい相談にのってくれた殿に暴言を吐いてしまう。
それでもうんうんと話を聞いてくれるのは殿の良い所なんだと思う。
「泣きたい時は泣きなさいよ」
「…泣きたいわけじゃないよ」
それでも言葉とは裏腹に涙は流れてきて、何だか恥ずかしくて嗚咽を押し殺しながら涙を制服の袖でふく私は何なんだろうか。
「泣きたいんじゃん!」
バカにしながらもポンポンと頭を撫でてくる手が優しくてやっぱり涙は止まらなくて。
私の気持ちを知らないで、今頃2人はまた夫婦喧嘩してるんだろうか。
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