「バカじゃないの」

人が少ない談話室のソファーで本を読みながら僕は隣に座るナマエを突っぱねた。

「……」

そんなナマエはムスッと、明らかに機嫌の悪さを顔に出して僕を見ていた。尤も、今僕は読んでもいない本から目を離さないようにしているのでナマエの表情なんて知らないけど。


「…なんでそこまで怒るの?」
「自分で考えれば?」

チラリとナマエを見るとふてくされた顔。


さっきまで糞グリフィンドール生(しかも男子だよ)(さらに年上ときたからね)と楽しそうに話していただろ。

と、言いたかったが嫉妬なんてカッコ悪いので言わない。
くだらない。僕が嫉妬だなんて。


「ごめんなさーい私が悪かったですってばーリドル様ー」


とりあえず謝ればいいと思い出したらしいナマエは棒読みに謝りだした。
理由も知らないくせに。うざい。

「ねぇリドルってば」

ぎゅっと僕の腕を自分の腕と絡める。ご機嫌とりか。

「…ちょっとは痩せれば?」

イライラした僕はそう言った。
ナマエが太っていると感じた事はない。女子の体型なんてよくわからないけどきっと標準体型だろう。抱きしめた時や嫌がらせにつついたりした時に柔らかいのは気持ちが良いので、痩せれば?なんて思った事は無かった。

だけどイライラして、とにかくナマエを攻撃する言葉を言ってしまった。
ていうかこのくらいじゃこいつは傷つかないだろう。

「なっ…」

ナマエは途端に顔を赤くしてうつむいた。スカートをぎゅっと握る。

「なに」

また反論してくるだろうと思っていたが、予想外の反応にこっちが戸惑う。もちろんそんな素振りは出さないが。


「あ、気にしてた?」

楽しくなってきて俯くナマエの顔を覗き込む。すぐに反らされたけど。


「ナマエ」
「ななななにっ」

そっぽを向いたナマエの腕を掴む。慌ててこちらを見たナマエは頬を赤く染めていた。


「…肉付きが良い方が可愛いよ」

今までより頬を真っ赤にしたナマエは意外に乙女で可愛いなと思った。







君に言えないこの気持ちをどうしようか?

















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