最後に「僕達が同じ孤児院育ちだって絶対に言うなよ」と言われた。

大広間につくとさっきの貼り付けたような笑顔のトムにる。なんだかなぁ。



大広間での始業式と入学式が終わった。トムと寮まで行こうかと考えたが、やはり見つける事が出来なかったので1人で寮まで向かった。

否、向かおうとした。


「アリカワ!!!」


名を呼ばれた。トム以外の誰かから名前を呼ばれるなんていつぶりだろう。
振り返ると若きマクゴナガル先生の姿。


「あなた大丈夫だったの?」


私の隣に立った若いマクゴナガル先生は怒っているのか険しい顔をしている。


「大丈夫…?」
「足よ。学年末の魔法薬学の授業忘れたの?」
「あぁ」


そうか。若いマクゴナガル先生とペアになり、鍋を爆発させたのだ。そして右…いや、左か?よく覚えていないがどちらかの足に薬品かかってしまったのだった。


「大丈夫。たいした事無かったから」
「そう…。あの後あなたは無事そうだったけど、ローブに隠れて足は見えなかったし、傷跡でも残ってたらどうしようって夜も眠れなかったわ」


険しい顔から歳相応の顔に戻った若いマクゴナガル先生は咳払いを1つ。

「ミスアリカワって本当に馬鹿なのね。びっくりしたわ」
「し、失礼な…!」
「私で良かったら勉強くらい教えるわ。また鍋を爆発させられたら困るもの」


ちょっと目線を下げてそう言った。ツンデレか。思わずツッコミたくなったがぐっとこらえる。


「ありがとう。すごく嬉しい。さっそく今日からお世話になりたいなぁ」
「勉強ってまず自分でするものよ?」


そう言った若いマクゴナガル先生は笑った。つられて私も笑顔になった。



その日の夕方、トムと話をした。友達ができたと言えば「くそグリフィンと仲良くなりやがって」なんて舌打ちしながら愚痴をこぼし始めたトムは、きっと将来ハゲる。






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