「あっはっは!!!」
見ているこっちが心地良い。
秀が腹から笑っているなんて。珍しい。
「…人の顔を見るなり笑うなんて失礼じゃないかな櫻野くん」
「いや、ごめんね?」
出会い頭に「あっはっは!!!」だ。意味がわからない。
クリスマスパーティーから2日後。廊下を歩いていると秀に出会った。
そして「あっはっは!!!」だ。いつもは含み笑いのくせに。
私変な顔をして歩いていただろうか。
「なに、私のなにがおかしいの?」
「違うよ。思い出し笑い」
「…人の顔みて?」
うん。そう言う秀は最早清々しい。
「ふふ。あ、今から生徒会室の掃除だよ」
「流石に知ってるよ…静音ちゃん待ってるの。とりあえず技術系の人とちょっと話してくるって」
「技術系は毎年大変だからね」
今日は大掃除の日。生徒会室掃除はわりとすぐ終わる。普段から綺麗に使われているし、皆自分のクラスの掃除に忙しいからパパッと終わらせるのだ。
「…じゃあ、僕は先に行っとくよ」
「うん」
静音ちゃんもすぐに来るだろう。廊下の窓から外を見下げると雪がしんしんと降っていた。
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