9と3/4番線にまず戸惑った。
その事についてはあえて触れないでおこう。
よくある映画のように、列車から家族(または恋人)(または親友)に手を振りながらの涙の分かれのシーンが私たち家族にできなかったのはこの9と3/4番線のせいだとわかった。
魔力のない者は通れないらしい。
ホグワーツ特急に乗りコンパートメントに入る。
私の向かいの席にダンブルドア校長とマクゴナガル先生が座りなんだか緊張する。
「ホグワーツは7月に一年間の行事全てを終え終了式とし、9月1日から始業式が始まります。あなたはホグワーツの生徒が帰省しているこの夏休みの間にあなたと同学年の生徒が2年かけて習ってきた勉強を全て頭に詰め込んでもらいます」
「えー…」
そんな無茶な。どんな勉強をするかもわからないのにこの約1ヶ月半で私の頭に2年分の勉強を詰め込まないとだなんて。
心の中で嘆いた。
「ホグワーツについたらまずあなたの寮を決めます」
「寮?」
マクゴナガル先生は「はい、寮です」と言いながら頷いた。「寮ってさっきマクゴナガル先生が言っていたグリフィンドールとかの事ですか?」
さっきマクゴナガル先生がグリフィンドールの寮監ですと言っていたのを思い出した。
「そうです。ホグワーツには4つの寮があります。
グリフィンドール、レイブンクロー、ハッフルパフ、そしてスリザリン。
生徒はこのうちのどれかに属してもらい7年間、ホグワーツにいる間は家族のように過ごしてもらいます」
「私の寮はどこですか?」
「それをホグワーツについたら決めます」
「先生達が今決めてくれないんですか?」
マクゴナガル先生は私が全て言い終える前にきっぱり「できません」と言った。
「組み分け帽子にあなたが入る寮を決めてもらいます」
「組み分け…?」
「生徒が帽子を被ると帽子が生徒の資質を分析し生徒に最も適した寮を選んでくれるのです」
「……」
なんだか自分の想像を越えるファンタジーの世界に私はきてしまったかもしれない。
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