「グリフィンドールが優勝か」
帰りの列車でドラコが言った。
「まぁ別に良いじゃん優勝とかどうでも。自分にとって充実した1年だったら」
「…カオリは充実してたのか?」
「とーっても充実してたよ!」
満面の笑みでそう返答したのに、ドラコはふぅんと呟いて窓の外を眺めた。
私と居てもつまらないのか。それともただ、疲れているだけなのか。
「ドラコは充実してなかったの?」
「まぁ、それなりには充実してたさ」
「それなりに、か」
長い夏休みに入る前にハーマイオニーと会っておきたいな。そんな事を考えながら私もドラコと同じように外を眺める。
「きっと来年はもっと楽しい1年になるよ」
誰に言うでもなくそう呟いた。
なんとなくそう思ったからだ。
「そうなると良いけどな」
鼻で笑ったドラコはとても眠そうだった。やはり疲れていたのか。
「そうなるよ。自分次第だろうけどね」
初めとは全く違う終わり方。
校長とマクゴナガル先生と一緒に乗った列車に今はドラコと乗っている。私達以外の乗客も居る。
きっと、来年はもっと楽しい1年。
「お休みなさい」
いつの間にか目を閉じて静かに寝ているドラコに向かってそう言った。
届かない言葉で構わない。
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