夢をみた。
誰かがひどく怒っていて、悲しんでいる。裏切りだと叫ぶ。泣いている。
悲痛な叫び声に心が痛む。
弱かったのだ彼は。そう言う人物が居る。泣き叫ぶ人物の背中を優しくさすっている。よく見えないが女性だろう。
泣き叫ぶのは男性のようだ。
助ける事が出来なかったと男性は嘆いている。大切な親友をなくしてしまったのは、知っていたのに助ける事が出来なかった自分のせいだと。
こうなる前に、弱い者を助けなければならなかったと女性は言う。
目覚めは最悪だ。
よくわからない夢を見た。
今日はホグズミードの日。
気持ちをスッキリさせようと暗いスリザリンの寮を出て校庭に向かった。生徒はホグズミードに行っていて居ないはずだ。
そろそろホグワーツで過ごした初めての1年が終わる。
いろいろな体験をした。
スリザリンに選ばれ最初は友人は出来なかったし初っぱなから喧嘩をした。ハーマイオニーと仲良くなり、ハリーやロンとも友人になった。なぜかドラコとも仲良くなれた。
そのドラコは私が知らない何かを知っている。
ふと、今日みた夢を思い出した。
「カオリ!」
「え、」
名前を呼ばれた。誰かと振り返ればハーマイオニーとハリーとロンだ。
「久しぶりカオリ!最近会ってなかったわね」
「うん。会いたかったけど、皆がよく思わないから…」
そう言うとロンが「なんで?」と聞いてきた。
「スリザリン生から嫌われるのは良いけど、私のせいでハーマイオニーがグリフィンドール生から悪く思われたら嫌じゃん」
まるでロミオとジュリエットだなと笑えばハーマイオニーがため息を吐いた。
「そんな気を使わないで頂戴。私達友達なんだから」
僕達もね。ハリーがそう言って笑いかけてくれた。
優しい緑の瞳。どうしてだろう。懐かしい。
「うん。ありがとう」
ゆっくりと空気が流れていく。
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