試験が終わった。
ドラコは出来が良かったと満足してくる。うらやましい。
いろいろ考えていたからドラコと接するのを躊躇われたが、向こうは私の気持ちなんか露知らず。
試験期間は勉強も教えてくれた。
だから私も普通に接した。
「私は全然わからなかったよ」
「最初から期待はしてなかったけどね」
正直ハーマイオニーから勉強を教えてもらいたかった。
しかしハーマイオニーと一緒に居るとドラコが怒る。ドラコの機嫌のためにハーマイオニーに勉強を教えてもらわなかったわけではない。
グリフィンドールの人達も私がハーマイオニーと居て良い顔はしない。
いつか私の事でハーマイオニーに迷惑をかけてしまいそうだから。
「むかー。じゃあもうドラコに勉強は聞かない!」
「1人で勉強する気か?卒業出来なくなるぞ」
鼻で笑いながらそう言うドラコに「そこまで頭が悪いわけではない」と言い返した。
「グレンジャーには勉強を教えてもらわないのか?」
「…ハーマイオニーと仲良くしてたら怒るくせに。あ、別にドラコが怒ろうと機嫌を損ねようと私には関係ないけどね。
グリフィンドールの人達もスリザリンの私が嫌いみたいだし。ハーマイオニーがいろいろ言われたりしたら申し訳ない」
試験が終わり浮き足立っている生徒達とは裏腹に私の気分は落ちていく。
「勇猛果敢なグリフィンドールだってさ。
たかが寮ごときで人を判断するような生徒が騎士道を目指す者っておかしいよね。スリザリンと何も変わらない狡猾で選民思想じゃん」
話していくうちに腹が立ってくる。さっさと寮に帰りたい。1人になりたい。
「ふーん。そんな事思ってたんだな」
「悪い?」
「いや、やっぱり君って…」
そこまで言ってドラコは口を閉じた。
「なに、気になる。続きは?」
「…まぁ、スリザリンに向いてない事も無いよな。最初はただの穢れた血と思ってたけど」
「はぁ?だから私はあなたが大嫌いなただの穢れ血ですー」
この話題は苦手だ。もやもやする。
話題を考えようと探すが何も思いつかない。
うんうんと唸っているとスリザリンの寮についた。
「さっきから何唸ってたの?」
「いやぁ別に」
寮についたら後は部屋に向かうだけ。話題は結局見つからなかったが談話室でドラコとお話する予定はないので、話題は無くて良い。
じゃあねと別れて女子寮に続く階段を登った。
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