そろそろハリーが帰ってくると思い城内をうろついていた。初めてホグズミードに行ったハリーの感想を聞きたかったのだ。

しかしホグズミードから帰ってきたハリーは今にも死にそうな顔をしていた。私がついた嘘がバレたのかと不安になりハリーの傍に駆け寄った。


「どうかしたの?」
「あぁ、カオリか」
「もしかして私がついた嘘がバレた?スネイプ先生と会って、ハリーはどうしたって聞かれたからごまかしたんだけど…」
「いや、大丈夫だよ」

なら良かった。
私の下手な嘘のせいでグリフィンドールから150点も減点されたらどうしたらいいか。

「でも元気ないみたいだけど…」
「ちょっとね」

ちょっとどころではなさそうだ。だけど言いたくないようだし、私は居なくてもハーマイオニーとウィーズリーが居る。
私は寮に戻る事にした。








「メリークリスマスさよならドラコ」
「さよならって…ずっと思ってたけど軽薄だよなカオリ」
「そんな事はないよ」

クリスマス休暇に帰省するドラコを見送る。私はわざわざ日本まで帰らない。




「カオリカオリ!!」

食事のため大広間に居るとハリーが駆けてくる。この前の死にそうなハリーが最後にみたハリーだったので安心した。

「僕にファイアボルトが送られてきたんだよ!」
「ファイ…そう、良かったね!」
「君絶対わかってないだろ」

ウィーズリーがぼそりと突っ込みを入れてきた。驚いてウィーズリーを見ると気まずそうにこちらを見ていた。

「僕、君が嫌いなんて一言も言ってないからね。スリザリンは嫌いだけど」
「ウィーズリー…」
「それにウィーズリーはいっぱい居るからロンって呼んでいいよ」


驚いた。まさかウィーズリーもといロンが、私に話しかけた。そしてロンって呼んでいいよなんて言った。
品を落とす奴扱いされた日もあったのに。

「ロンずっとカオリと仲良くしたかったんだよ。僕とハーマイオニーが仲良くしてるから」


余計な事言うなよとロンがハリーを睨む。なんだかとても心が穏やかになった。






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