クィディチの試合があった。私は興味がないから見てないけれどドラコを始めとするスリザリン生が「ポッターは滑稽だった」と笑っていた。
そんなスリザリン生は今日も滑稽だ。


季節はもう冬。
パーキンソンはあれ以来何があろうと(私がドラコと仲良くしようと)私に話しかけはしなかった。






今日はホグズミードの日。
今まではこの日はハリーとお喋りをしていた。ホグワーツにくる前の話や家族の話。ハリーの親戚の話。
他愛もない話。

だけど今日は違う。



「忍びの地図?」
「うん。フレ…ウィーズリーの双子に貰ったんだ。これでホグズミードに行けるよカオリ!」
「えー私はいいよ」

嬉々として話していたハリーは私の返事を聞いて戸惑った。

「え…どうして?」
「なんか怖いし、そんなの校則違反じゃないの?」
「君はハーマイオニーの影響を受けすぎている!」
「かもね。だけど、いいよ。いってらっしゃいハリー」


元々あまりホグズミードに興味は無かった。そのホグズミードにわざわざ自分から危険な真似をしてまで行こうとは思わない。ハリーは私を気にしていたがホグズミードに行きたい欲には勝てず「次は一緒に!」と言いながら走り去っていった。


しかし、1人は暇だ。






「今日はポッターと居ないのかね」
「はい」

する事もないので図書室で適当に本を読んでいるとスネイプ先生が表れた。ほんと、表れたという感じだ。

「ポッターはどこに?」
「ハリーならホ……ホーっと鳴く梟の餌を探しに行きました」

危ない。ホグズミードに行きましたなんて言ったらスネイプ先生の事だから、それきたと跳ね上がり、ホグズミードまでハリーを捕まえに行き、グリフィンドールに150点の減点をするだろう。

適当にごまかした。
あぁ嘘をついてしまったと死にそうな罪悪感に襲われたが、ハリーはホグズミードであの白い梟の餌を探しているかもしれないと自分を落ち着かせた。

「ホーっと鳴く梟…?」
「はい。ハリーのあの白いホーっと鳴く梟です。ミミズを掘り起こすとか言っていた気もします」

私は今日にでも舌をちょん切られるだろう。嘘をつくのはどの口だ、と。


「この冬にミミズを探すとは相変わらず愉快だなポッターは」
「ですね」


全校生徒の半数以上がホグズミードに行っている今は図書室はいつも以上に静かだ。

「ていうか、ホグズミードの日は私がハリーと一緒にいるって知っていたんですね先生」
「…一応寮監なんでね」


全てに無関心そうな先生が、ホグズミードの日に私がハリーと会っていた事を知っていた。
その事にすごく驚いたが、同時に嬉しくもなった。


「なんか先生って懐かしいです」
「どういう意味かね?」
「先生といると懐かしいんです。落ち着くというか、よくわからないけどなんだか懐かしい」


どうしてだろう。よくわからないけれど。
それは最初の方から思っていた事。
先生は懐かしい。


「おかしな事を言うな」
「おかしくないですよ。素直な気持ちです」


皆がスネイプ先生を嫌っていてもきっと私は嫌いにはなれないだろうなぁと改めて感じた。






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