ハーマイオニーがくだらないと繰り返し繰り返し言っている。ハーマイオニーの様々な面をみてきたが、まだ彼女と過ごした時間は少ない。
今日は初めて彼女が授業をくだらないと言っている姿を目にした。


どうやら占い学が原因らしい。

私はその時間は数占いをとっているから占い学は知らないが、とにかく酷くくだらないらしい。



しかしハーマイオニーはなぜ私と同じ数占いを受講しているのに、数占いと同じ時間の占い学を受講出来ているのだろうか。

少し疑問に感じたが、なんだかハーマイオニーならそれが出来てもおかしくないような気がしたので気にしなかった。



「占い学なんてとらなくて良かったわくだらない!」
「まぁまぁ…えっと、あ、魔法生物飼育学は面白かったわね」


だんだんイライラしてきたハーマイオニーを落ち着かせるべく違う話題をふってみた。


「あぁ、そうね。だけどマルフォイが最悪だったわ。授業は中断になるし…軽い怪我のくせに、なにが父上が許さないよ!」


先ほどあった魔法生物飼育学の授業でヒッポグリフのバックビークがドラコに怪我を負わせた。ハグリッドの言葉を無視したドラコが100%悪いがドラコが怪我をした事は事実だ。


大広間のスリザリンのテーブルでパーキンソンに大怪我をした死ぬところだったという内容の話をしているのを聞いた。

怪我をした場面を見ていたので、そこまでの怪我だったのかと心配をした(パーキンソンが居たのでその会話の場には入らなかったが)が、ハーマイオニーが言うにはそこまでひどくない怪我らしい。



「だけどドラコは怪我をしたのは本当だよ?」


ハーマイオニーにそう言うと驚いたのか目を丸くする。


「…あー、そうね。あなたはそういう子だったわね」

目を丸くした後はすぐに困ったように笑ったハーマイオニーは私の手をとった。

「やっぱり何でも鵜呑みにするのは良くないわ。あ、マルフォイの怪我の事をそこまで怒っているわけじゃないわ私。だけどね、あなたいつか大きな詐欺にひっかかるわよきっと」

ハーマイオニーはぎゅっと私の手を握り、私の目を真っ直に見る。

「だ、大丈夫だよ。安心して」

吹き出しそうになったがあまりにもハーマイオニーは真剣だったので、ぐっとこらえた。


「今の時代あなたみたいな馬鹿正直は狙われやすいのよ?シリウス・ブラックはホグワーツに近づいてきているし…何かと危ない世の中なんだから。馬鹿正直はただの馬鹿っていうじゃない」
「ちょ、馬鹿って…ていうかシリウス・ブラックって?」


3回目の馬鹿の後に聞こえたシリウス・ブラックという名前。どこかで聞いた事がある。


「シリウス・ブラックは殺人鬼よ。アズカバンを脱獄したのよ」
「アズカバン…?」
「牢獄よ」

眉をひそめて言う程シリウス・ブラックは恐ろしい人物なのだろう。

「気を付けるよ」
「そうしてちょうだい」

親か叔母のようなハーマイオニーは私から手を離して、にこりと微笑んだ。







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