しばらくするとバケツをひっくり返したような雨になった。
スネイプ先生が珍しい事ばかりするからだ。






ホグワーツに沢山の生徒が行き交う。

久しぶりにこんなに沢山の人をみた。人に酔いそう。でも楽しい。

廊下を歩く生徒は見慣れないのか東洋人の私とすれ違ってはジロジロチラチラみたりヒソヒソ話したり、反応は様々だが誰一人として話しかけてはくれない。

すぐに友達が出来ると期待していただけにがっかりだ。


「…あ、ごめんなさい」

マクゴナガル先生に大広間に行って自分の寮の長テーブルについていなさいと言われたので大広間に向かっていた。夏休みも食事は一人大広間でとっていたので場所はわかるが生徒でごった返している廊下をふらふらと歩いていたら誰かとぶつかってしまった。

「大丈夫よ」

女子生徒とぶつかったらしい。

「…あなた見かけない顔ね」

ぶつかった女子生徒はそう言って私の顔をじっと見る。
栗色のボサボサ…いや、豊富な量の髪の毛で、綺麗な女の子。

私が女子生徒を見て何て返事を返そうか考えていると「おいハーマイオニー行くぞ」と女の子に話しかけてくる不機嫌そうな赤毛の男子生徒と丸い眼鏡の男子生徒がいた。

「ちょっとロン、私まだ」
「こいつスリザリンだぜ。ネクタイみてみろよ」

すると三人の目が私のネクタイに集中する。
私が戸惑っていると赤毛の男子生徒が女子生徒の腕を引いてそそくさと私から離れていった。
丸い眼鏡の男子生徒は二人が去った後も私を見ていたがしばらくもしない内に二人を追って去った。


「え…」


スリザリンだぜ。
そのセリフと赤毛の男子生徒の目が私の脳裏に焼き付いている。


嫌われている。


すぐに理解した。
初対面なのに?
どうして…と思って俯くと私の足元に一つ砂時計が落ちているのに気づいた。







- 9 -


[*前] | [次#]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -