今年はホグワーツで何か大きなイベントがあるらしい。
ハーマイオニーは何か難しい勉強でもしているのか図書館にこもっている。
ハリーとドラコがまた喧嘩をしたらしい。そしてドラコはイタチだったかモルモットだったかフェレットだったかに変えられたらしい。
闇の魔術に対する防衛術の先生がなんだかおっかない先生になった。
そんな感じでハロウィン前日。
なんとかっていう大きなイベントのためにホグワーツにはボーバトンとダームストラングの生徒がきた。いつもより賑やかな食事だ。
「君んちドレスとかあるの?」
賑やかな食事中にドラコが聞いてきた。いきなりなんだと思いながら、口の中の物を飲み込んで答えた。
「ドレスなんてあるわけないじゃない」
「じゃあ、クリスマスどうするわけ?」
スリザリンの席にはダームストラング生も座っている。私の隣に座っているドラコもダームストラングの生徒とさっきまで仲良さげに話していた。
「クリスマス?」
「今年はクリスマスにダンスパーティーが行われるんだよ」
「…絶対参加なの?」
「むしろ参加しないのか?」
「ドレスなんて持ってないし、パーティーとかわかんないもん」
フォークでサラダの中のニンジンをつつく。食べ物で遊ぶなと怒る人は居ない。
「わかるもわかんないも無いだろ学校でするパーティーに。出たらわかるさ、猿でもない限り」
「だろうね。だけどドレスなんかうちには無いよ」
むしろ皆持ってるのか。ここと日本とじゃ何もかもが違うし、持っているものなんだろうか。
「ふーん」
それからこちらをジロジロと見た後ドラコは私の皿に乗ってるニンジンに目を向けた。
「食べ物で遊ぶなんてはしたないな!!どういう風に育ったか見てみたいものだね」
「…姑かよ」
育ちが良いであろうドラコ的に食べ物で遊ぶという行為は許せなかったのだろう。さっきニンジンをフォークでつついていたのはただ見ていなかっただけか。
未だ隣でぷりぷりと怒っているドラコをさっきの仕返しとばかりにジロジロみた。
「なんだよ。なんかついてる?」
「いや別に」
夏に会ったドラコの両親を思い出す。甘やかされて育ってきたような性格しているけど、マナーとかそういうのは厳しかったんだろうな。
勝手にドラコの家を想像しながらニンジンを口に運んだ。
「うーん。不味い」
なんだこりゃ。不味い。
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