不自然に下げていた頭をあげると、いつものように笑う顔があった。

「似合うかな?」

スカートの裾を少し持ち上げ聞いてみる。

「似合ってますよ」

いつだかのようにそう言う。同じような笑顔を浮かべて。
自分も同じように笑ってみせた。

「なら安心した」

適当な言葉を発してスカートのヒダを撫でる。何年か前も着たそれは当時と全く変わっていないし、自分もまた変わっていない。

では行きましょうかという声に、いつの間にかまた下げていた頭をあげて重たい足を動かした。
これだけで世界が変わるだろうか。











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