three of us番外編2 | ナノ





three of us番外編2

 祐が笑うと、彼の目尻にはしわが刻まれる。その頬へ手を伸ばした司が、少し体を動かした。その肌へ触れるのは己の手であって欲しいと願うことがある。だが、真斗はそういった感情をにじませることなく、二人が絡むのを黙って見つめた。
 親同士の再婚で義理の兄弟になった。それを恨むこともあれば、感謝することもある。家族でなければ、付き合っていたかもしれないが、家族でなければ、知り合うことすらなかったかもしれない。
 真斗は祐に対して、自分という人間を隠さない。ただ一つだけ、隠しているのは彼を愛しているということだけだった。
 祐は司のアナルへペニスを挿入し、ゆっくりと腰を動かし始める。司の手が甘えるように彼の手をとらえた。部屋を出ようとしたら、司が呼びとめる。
「真斗さんも来て」
 おせっかいだと思いつつ、真斗はひざをつき、司の乳首を食んだ。
「あ、っう、ん……ま、うしろっ、から」
 司の言葉に祐が動きを止め、一度、ペニスを抜いた。四つ這いになった彼をうしろから抱いた祐は、真斗のほうを見ることもなく、貪欲に動き始める。
「司」
 真斗は服を脱ぎ、ベッドへ上がった。司の口へ熱を持っているペニスをくわえさせる。彼の髪をすきながら、向かい合う形になっている祐を見た。祐は絶頂が近いのか、切なげな表情で目を閉じている。
 高校生の時、こっそり祐が眠る部屋へ忍び込んだ。軽く重ねるだけのキスを思い出し、司の口で愛撫されていたペニスが弾ける。
「祐」
 目を開いた彼は小さくうめいた。真斗は彼の後頭部を押さえ、触れるだけのキスをする。抵抗はなかったが、舌でくちびるをなぞっても、中へ迎え入れてくれることはない。司の腰にあった彼の手が、真斗の胸を押した。
「……キスまでにしてくれよ」
 祐はそう言って、笑みを浮かべ、真斗の精液でむせている司へティッシュを差し出した。祐が、「風呂をわかしてくる」と出ていった後、司が口を開く。
「俺、余計なこと、しましたか?」
 真斗は首を横に振る。
「分かってたことだから」
 祐は自分に対して恋愛感情を抱いたりしない。司を抱き始めたのも、ほんの少しの興味を刺激されて、続いているだけだ。時おり、二人で司を共有していることに疑問を抱いていることも知っている。だが、祐の性格からして、今はもう司に情が移っているだろう。
「司、おまえを蔑ろにしてるわけじゃない。おまえを通して、あいつを見てるわけじゃないんだ」
 ベッドに座っていた司の首筋へキスをする。彼はくすぐったそうに身を動かしながら、返事をした。
「祐さんも真斗さんも好きです。比べられない」
 くちびるへ移動してキスを繰り返す。
「俺、最高のつなぎですか?」
 笑いながら尋ねてくる司に頷くと、扉付近にいた祐が、「つなぎ?」と首を傾げる。司のことをベッドへ押し倒していた真斗は、祐を振り返った。
「つなぎがないとパン粉がつかないって話です」
 司の言葉に祐は笑みを浮かべ、「今日の夕飯はフライもの? ちょうど、エビフライが食べたかったんだ」と言った。真斗は笑いをこらえ、司への愛撫を再開する。祐は遠慮して扉を閉めた。
「不思議な関係ですね」
「そうだな……」
 あのおっとりしたところが好きなんですか、と続いた問いかけに、真斗はこたえず、キスで司の口を閉じた。

番外編1

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