わかばのころ 番外編15 | ナノ





わかばのころ 番外編15

 ベッドに押し倒された若葉は、いそいそと服を脱ぐ潮を見て自分も、とエプロンに手をかけた。
「まった! エプロンはつけたまま、な?」
「う、うん」
 いつも以上に余裕がない潮を見て、やっぱり潮も二人暮らしを楽しみにしていたんだと思い、若葉は嬉しくなった。
 潮が下だけ脱がせて、ジェルを取り出す。コンドームを指先につけた潮はジェルを使い、ゆっくりとアナルを解した。
 今までは実家だったから声を我慢したが、これからはそこまで我慢しなくていい。若葉は少しずつ声を漏らした。
 前立腺を擦られてエプロンの下でペニスがたち上がる。それを見た潮がいきなり口にくわえた。エプロンごと口に入った若葉のペニスは、アナルも同時に攻められて、すぐにでも爆発しそうだ。
「っあ、うーちゃ、んっ、ああ、く、いく」
 口をすぼめた潮に吸われて、若葉は体を震わせながら射精した。若葉の精液と潮の唾液で、白いエプロンが濡れる。
「しろがよごれてくとか、もうめちゃくちゃにしたくなるな」
「え? うーちゃん?」
 まだ射精したばかりで回復していないが、潮はまだ射精していない硬く勃起しているペニスにコンドームを被せた。
「わかば、わかば」
 何が潮の興奮スイッチを押したのか分からなかった。だが、エッチの時はたいてい若葉が乱れて、彼のほうが冷静なため、こういうふうに攻められるのも悪くないと思う。
 潮のペニスが中に侵入した。呼吸を合わせながら、若葉は彼を受け入れていく。彼の手が腰をつかんだ。つながりがさらに深くなり、若葉は声を出す。
「っああ、うー、ぁあ、ん、ん、あ」
 今まで我慢してきたせいか、若葉は大きくあえいだ。潮が腰を打ちつけるたび、気持ちよくて声が漏れる。快感を証明するように、若葉のペニスは濡れたエプロンの下から元気になっていった。
「っく、わかば、いくっ」
 潮はそうささやいて、激しい動きで若葉の奥を突き始めた。よすぎてよく分からなくなっていた若葉は、ただひたすらあえぎ、潮の動きを受け止める。
 絶頂を迎える瞬間、潮が若葉の首筋から革紐を引っかけて、その先にあるリングのピアスにキスをした。そのまま若葉もそのピアスへキスをする。
 くちびるとピアスの間からふぅふぅと息が漏れた。若葉は目尻の涙を拭いながら、潮の手を握る。
「悪い。痛くなかったか?」
 潮は一度射精して、欲望が満たされたのか、いつものように髪をなでて、額や頬にキスをくれる。そのくすぐったい感じが好きな若葉は笑いながらこたえた。
「全然、大丈夫。うーちゃん、いつも以上に男って感じで、俺、すごく満たされるっていうか、満足したよ」
 潮はゆっくりとペニスを抜き、汚れてしまったエプロンを持ち上げる。
「これ、すげえ興奮する」
 そう言って、照れ隠しに潮は口元を押さえて笑った。
 
 若葉は白いエプロンが興奮するのだと理解し、潮を誘う時は白いエプロンを身につければいいのだと一人納得した。ただ、毎日、食事の用意をするたびに潮が興奮しては困る。ハイツミドリの周辺にはスーパーや娯楽施設はあるが、衣料品を扱う店は隣の駅まで出ないとない。
 そこで、後日、インターネットで黒いエプロンを注文しておいた。若葉のアルバイトは禁止されているが、潮は春休みから一日四時間、週に三回程度、居酒屋で小遣いを稼ぎ始めた。
 注文の品を身につけて、夕食の準備をしていると、鍵を差し込む音が聞こえる。若葉は火を止めて、すぐそこの玄関へ迎えに出た。
「うーちゃん、おかえり!」
 潮はあいさつの途中で固まり、黒いエプロン姿の若葉を抱えて寝室へ直行した。エプロンの色ではなく、エプロンそのものに興奮するのだと気づいたのは、白いエプロンの時のように様々な液体でぐっしょりと濡れた後のことだった。

番外編14 番外編16(若葉と優の初対面/優視点)

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