わかばのころ 番外編4 | ナノ





わかばのころ 番外編4

 恥ずかしいとは思わないが、潮の体が自分とはあまりに違い過ぎて思わず溜息が漏れる。食欲も戻り、寒い冬は居間のこたつでごろごろしていた若葉は、春がくる頃、去年より太っていた。座り直してたわむ肉をつかんでいると、潮が笑いながら一緒につかんでくる。
「気にし過ぎ。健康診断、別に何も言われなかっただろ?」
「そうだけど……これ、うーちゃんがお菓子くれるからだよ」
 学校でも家でも通学の電車の中でも、潮はいつも鞄やポケットの中におやつを忍ばせていて、若葉に与える。
「分かった、正直に言うな。もぐもぐ食ってるおまえがかわいいのが悪い」
 潮はそう言うと、照れ隠しにいきなりキスをして押し倒した。若葉は驚いたが、すぐに目を閉じて舌を受け入れる。
「ん、アップルティーの味がする」
 若葉は畳の上に置いてあるペットボトルを指差した。潮はかすかに笑い、布団の上にある潤滑ジェルを手にする。
「冷たい?」
「たぶん」
 電気スタンドの明かりに照らされて、潮のペニスが見えた。彼のそこはすでにたち上がっていて、若葉はジェルの口を開けようとしている彼を見上げて、そこへ手を伸ばす。
「っわ」
 潮が驚いて、ジェルが飛び出した。
「いきなりつかむな」
 若葉は声を立てて笑う。
「うーちゃんの、大きいね。鍛えてるの? あ、小さくなった……」
「おまえなぁ、笑わせるな。リラックスし過ぎて、なえる」
 潮はコンドームを開けると、指に装着し、ジェルを絡めた。指の体温で温まるのか、潮の指先が若葉のペニスに触れた時、ジェルは冷たくなかった。若葉はあまり自分で処理したことがなく、人の手に触れられるだけでおかしな気分になる。それが好きな人の手ならなおさらだった。
「若葉、仰向けになれ」
 仰向けになると、潮が覆い被さり、くちびる以外にも口づけを落としながら、ペニスをなでてくれる。目を閉じても何も思い出さない。それよりも、今は潮を気持ちよくさせたいと思った。
「うーちゃん、俺も触りたい」
「……それは後でいいから」
 左手が頬をなで、潮の舌が乳首をなめる。ペニスをいじられると、気持ちよくて声が漏れそうだった。若葉は潮が触れたところから、体が火照るのを感じた。
「うーちゃん」
 若葉が呼ぶと、潮はすぐに理解して、右手を握る。
「中指だけ入れる。痛かったら、すぐ言うんだ。いいな?」
 頷くと、潮が頬にキスをした。深呼吸して、と言われて、若葉はできるだけ体をリラックスさせる。痛みはない。ただ異物が入った感覚だけだった。
「まだ先だけだ。もう少し入れるな」
「うん」
 潮はそう言った後、一度、握っていた手を放して、ジェルを追加した。ゆっくりと中指を縦に動かし、徐々に広げるように円を描き始める。若葉は足を開いて、かかとに力を入れていたが、潮の指が前立腺の周辺を刺激すると、急に力が抜けた。
 潮が気づいて、その周辺で指を動かす。しばらく互いの息づかいしか聞こえなかった。二本にする、と言われても、若葉は返事をしなかった。少しずつ腰が浮き上がる。彼の指が動くたびに声が出そうになり、若葉は腕で顔を隠した。

番外編3 番外編5

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