karuna 番外編2 | ナノ





karuna 番外編2

 国王が短刀をトキのアナルへ近づけた。精霊が飛び出すように台座へやって来る。ごめんなさい、と謝りながら、ペニスに模した性器をトキのアナルへあてがう。国王は短刀を置き、代わりに筒型の玩具を精霊へ差し出す。
「それをつけて犯せ」
 それは精霊達も苦しめた鉄製の型だった。ペニスに装着しなくても、ただそれだけでアナルを傷つける。外側には角がないもののヒダのような起伏がある。できない、と震えながら首を横に振った精霊へ、国王が見せつけるように半月型のナイフを手にした。
「トキ、おまえがちゃんと誘わないから、精霊達がなえてるぞ」
 すすり泣いていたトキが、突き出していた尻を揺らす。
「おまえを犯るか消されるか……消されるほうを選びたいらしい。泣かせるな。さすが優秀な精霊使いだ。精霊達から好かれている」
 トキの背中を切り裂くように、ナイフが上から下へ動いた。痛みに声を上げると、精霊達の悲しみと怒りが胸に響いた。
「お、おかして、っ、い」
 トキは精霊達を助けるために、犯して欲しいと懇願した。精霊達のためだけではない。彼らを助けたら、きっとハルカが認めてくれる。暗闇の世界で、トキはそう信じていた。
 ハルカ、という名を胸の内で呼ぶだけで、トキはどんな痛みにも辱めにも耐えられる。鉄製の型をつけた精霊がトキの腰に触れた。ためらった精霊のうしろから国王が早くしろと言わんばかりに鞭を振るう。トキは、「犯してください」と繰り返した。
「っう、あ、ァア、アアアっ」
 アナルへ埋まった凶器と化した性器を動かすまいと、精霊は必死に体を張るが、うしろから鞭打たれると、体が揺れてしまう。結合部から、血が滴った。トキは泣きながら、くちびるを噛み締める。自分が大きな声で泣き叫べば、精霊達に悲しい思いをさせてしまう。
「っう……」
 だが、痛みは尋常ではなかった。かすかに動くだけでも、トキは内部でナイフを突き立てられたように感じる。
 ハルカ。
 まぶたの裏に黄金色の髪が風になびく姿が浮かぶ。呼び出さなくても、勝手に現れて、冷たい表情のくせに、優しい声で、「トキ」と名を呼んでくれる。いつか、よく頑張った、と抱き締めて頭をなでてもらえる日がくる。トキは涙を流しながら、ひたすらハルカの名を呼んだ。

 トキが目覚めた時、すでに精霊達の気配はなかった。石床の上に転がっていたようだ。拘束は外れていない。起き上がろうとした時、体の中から脳天をえぐるような痛みにうめいた。拘束された手をそっと股の間へ入れ、アナルへ触れる。大量の出血はなかったが、指には血がついていた。
 高熱のせいで思考がうまく働かない。入ってきた人の気配に体を強張らせる。目が見えないことで薄れる恐怖もあるが、増す恐怖もあった。二人がかりで引きずられるように立たされ、トキは冷たい水を浴びた。乱暴に体を擦られた後、アナルの中へ薬を塗られる。口からも何かを飲まされた。抵抗らしい抵抗はできない。一言発することさえ、億劫になる。
 先ほど起きたばかりなのに、また急に眠くなる。一度だけ意識が戻ると、国王の気配があった。熱が下がるまではいけません、という声が聞こえる。トキは光のない瞳で天井を見上げた。
 ハルカ。
 夢の世界で会いたかった。だが、国王はそれすら許してくれない。髪をつかまれた後、顔に熱くて硬いものが当たる。それが何か、トキはすぐに理解した。
「下が使えないなら、上を使うしかないな」
 トキはひざをついた状態で、口を開け、国王のペニスをなめる。せき込むと、頭を押さえられて、喉の奥までペニスを入れられた。
「っぐ、う、ふっぐ……」
 苦しさから涙をこぼすが、国王が気づかいを見せるわけがない。高熱で頬を染め、にじんだグリーンの瞳はきらきらと涙で輝く。うっすらと血のにじむ肌はおそろしく白い。加虐心の強い国王はトキのその姿を見るだけで興奮していた。

番外編1 番外編3

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