just the way you are10 /i | ナノ


just the way you are10/i

 夏輝はトイレにいた。三人のクラスメイトに囲まれ、彼らのペニスを順番にくわえていた。ラップは臭いがない分、破れやすく、奉仕している最中に精液が口の中へ広がることが多い。彼らもそれを知っているらしく、わざと乱暴に夏輝の髪をつかみ、激しく揺らした。
 ちょうど三人目が終わった時、副会長が呼びにきた。彼は夏輝が口をゆすぐことも許さず、生徒会室へすぐに来い、と言った。
「おまえが誘惑した一年、バカ正直に、夏輝先輩が好きですって友則に宣言してたぞ」
 夏輝が足をとめると、彼は急かした。手にしていた鞄を引っ張られ、鞄から手を離して逃げたかったが、あの優しい後輩を巻き込んだ、という後悔が、夏輝の足を生徒会室まで運んだ。去年、友則に協力しなかったクラスメイトたちが、暴力で支配されたことを知っていた。彼がそういう目にあうと考えると、心が沈んでいく。
 生徒会室には、友則と生徒会役員の六人、そして、直太がいた。部活に出る前に呼び出されたのか、彼はまだ制服を着ていた。その表情は暗く、夏輝はすぐに直太から視線をそらした。
「三人とも満足してた?」
 友則の問いに夏輝は頷いた。
「俺は今、すごく不満。夏輝が俺に嘘つくなんて、ひどい裏切りだと思う」
 直太が手を握ったのは、自分がふらついたからだと言った。直太にも、何か聞かれたら、そう言えと指示しておけばよかった。だが、正直に答えた彼を責める気にはなれない。放っておいて欲しい、関わらないでほしい、と思いながら、傘を貸して、言葉をかけてくれた彼との時間が、少しでも長く続けばいいと願ったのは自分だ。
「スマホ貸して」
 友則は直太に声をかけた。直太は椅子に座ったまま、動かない。副会長が彼の鞄からスマートフォンを探し出した。
「ロック解除して」
 直太が無言で拒否していると、友則はこちらを見た。
「解除しないなら、あとで夏輝に受けてもらう罰を増やす」
 夏輝はスマートフォンに手を伸ばした直太に近づいた。
「夏輝」
 とがめる声に、夏輝は何も言えなくなる。ひどいことをされると分かっているのに、友則に逆らうことができなくなっていた。
「夏輝先輩、俺……」
 小声で何か言おうとした直太の目に涙が見えた。夏輝は彼から視線をそらすことで、何も感じないように努めた。感情を出せば、友則をあおるだけだ。
「あれ、消したんだ? 意外だな」
 夏輝には何のことか分からないが、直太は友則へ言い返した。
「俺はあんたたちとちがう」
「何、言ってんの? 一緒だろ? 夏輝、正直に答えてくれたこいつにお礼がしたいから、しゃぶってやれ」
 友則の命令に、夏輝はひざをついた。椅子に座っていた直太が慌てて立ち上がる。
「やめろよ、こんなこと」
 すぐに生徒会役員たちが四人がかりで、直太を座らせ、暴れる彼を押さえつけた。
「夏輝からも頼めよ。ちゃんとお礼できないと、どうなるか分かってるよな」
 夏輝は直太の太ももへ手を置いた。心の中で何度も謝りながら、彼を見上げると、彼は泣いていた。すでに傷つけている。夏輝の心に苦く重いものが沈んでいく。
「口でさせてください」
 直太は暴れなかった。だが、夏輝が口での奉仕をしている間、ずっと、「やめてください」と懇願していた。すぐに射精した彼をあざ笑い、三回いかせてやれ、と言われ、夏輝は彼のペニスを丁寧に愛撫した。
 すべて終えた後も、直太のすすり泣く声が生徒会室に響いていた。友則は直太のスマートフォンで、先ほどの行為を撮影していて、それを再生させながら、直太に差し出した。
「ほら、これで一生の思い出になるだろ」
 あざ笑った友則を見て、夏輝の手は自然に動いた。彼の頬を叩いたことに、自分でも驚いたが、友則はそれ以上に衝撃を受けているようだった。だが、すぐに夏輝の右手をつかむと、彼は怒りに燃えた瞳を隠さずに笑った。



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