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 蝋燭の火は消えかかっていたが、エクにはどれくらいの時間が経ったのか、まったく分からなかった。口の中にはまだ球状の縄が入っており、腕のしびれが気にならないほど、下半身のほうが痛む。
 腕を拘束している縄を解いて欲しかった。そのまま下へ倒れ込み、体を休めたい。エクは目を閉じて、少しだけまどろむ。ザファルはエクが初めてだと知っていながら、激しい抱き方をした。
「う……っう」
 新しい涙が頬を伝う。アナルからの出血は止まっていたが、エクの腰は重く、叩かれた臀部はひりひりと痛んだ。いつか愛する人と結ばれると、夢を見ていたわけではない。だが、初めての時は好きな人と見つめ合い、互いの熱を分け合うのだと信じていたエクにとって、縛られ、うしろから強引に犯されたという事実は、悪夢以外の何でもない。
 ザファルはエクの性器を何度も擦ったが、勃起しないと分かると、「そこも調教が必要だな」と耳元で笑っていた。まどろむと体が揺れ、エクはかすかに目を開き、痛みと疲労に耐える。
 誰かが助けに来てくれるかもしれない。すすり泣く声を聞き、もし、自分が話せる状態なら、「大丈夫」と声を聞かせてやりたい。エクはまだ希望を持っており、ほかの性奴隷を気づかうこともできる状態だった。
 地下につくられた牢獄には、驚くほど頑丈な鍵がついている。エクからは見えないが、その鍵を持った男が、ザファルとともに中へ入ってきた。
「エク」
 エクは蝋燭の炎に照らし出される新しい主人を見る。ザファルはうしろへ控えていた別の男を振り返った。
「珍しい瞳の色ですね」
 男は柔和な笑みを浮かべ、エクの瞳を見つめてくる。
「そうだろう。四年前、サルマが邪魔しなければ、今頃は俺好みの従順な奴隷になっていただろうに」
 ザファルの太い指先が、エクの顎をつかみ、炎に照らされた淡い緑色の瞳が光る。にじんだ瞳でザファルを睨んでも、相手を余計にあおるだけだと、エクにはまだ分からなかった。
「ここへ」
 ザファルはエクの胸にある突起へ軽く触れた。
「触れるだけで蜜を垂れ流すほど、淫らな奴隷にしたい」
 エクが体を引こうとしても、つま先しか届かない足では逃れることはできなかった。男は承知した、と頷き、エクの足首へ縄を絡ませる。足は大きく開かされ、縄の端が牢獄の隅へつながれた。
 両足の間にある性器は、まだ幼いものだった。エクは男の手にある鋼鉄製の小さな筒に恐怖を募らせる。だが、うめいても、涙を流しても、助けが来る気配はなかった。金属が擦れあう音の後、男は筒を真っ二つに開き、エクのペニスへ被せる。
 エクはアナルへ入れられると思っていた筒が性器を覆う感覚に、目を見開き、下卑た笑みを見せるザファルを見た。
「昨日、いかなかったことを後悔するぞ」
 男が筒の大きさを調整し終わると、エクのペニスは鈍色の筒に包まれていた。筒の先は穴が開いており、エクのペニスの先端が見えている。男はエクの目に見える位置へ、様々な薬や器具を並べ始めた。
「これはかゆみを引き起こす薬草からつくられたものです」
 男は軟膏のようなものを木製の棒へ取り、筒から見えているペニスの先端へ擦りつける。エクは腕を動かして抵抗したが、ザファル達にとっては、抵抗と呼べるほどのものでもなかった。
 先端を丸く削った木製の道具へ、軟膏を塗り始める男を見て、エクは首を振り、涙を流しながら、ザファルへ許しを請うた。彼はエクの髪を指ですき、淡い緑の瞳に映る恐怖と懇願を糧に己の性欲を爆発させる。
「先にぶち込みたい」
 どうぞ、と男が言う前に、ザファルはエクの背後へ回り、昨日と変わらない自分本位の交わりを強制した。彼が突くたび、エクは股を裂かれるような痛みに陥り、ペニスの先端へ塗られた軟膏が効き始めると、今度は筒の中で少しずつうずく熱と痛みに涙する。


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