spleen18/i | ナノ


spleen18/i

 キスを嫌がった明史を黒岩は言葉で責めた。明史は泣きながら、首を横に振る。お仕置きされると思った。だが、キスだけは嫌だった。先ほどまで勃起していた明史のペニスは少しずつなえていく。
 黒岩は明史のペニスを根元から縛り、両手だけを拘束した。痕が残らない、柔らかなゴム製の手枷だったが、自由を奪う意味では手錠と同じ力を持っている。黒岩はコンドームを替えて、明史を激しく犯した。
 射精できない苦しみを訴えても、黒岩は彼本位のセックスを止めなかった。しだいに尿意を覚え、腹部がつきつきと痛み出す。それでも、前立腺への刺激は止まず、明史は泣き叫びながら耐えるしかなかった。
 体が浮いたことに気づき、目を開けると、浴槽に体が沈んだ。黒岩は明史が覚醒したと分かると、さっさとバスルームから出ていく。明史は泣きながら、シャワーを浴びて、バスタオルを巻いた。
 腰のあたりの重たさは射精できなかったせいだ。まだ媚薬が効いているのか、ペニスは勃起していた。寮に戻りたい。腫れた右足を見つめながら、明史はバスルームからなかなか出ることができなかった。
 ノックもしないで入ってきた黒岩が、「早く出ろ」と腕を引っ張る。個室へ連れられて、ベッドに投げ出され、再度キスを要求された。明史の頑なな態度に、黒岩が笑い始める。
「これか?」
 明史のケータイを手にしている黒岩が操作をして、受信メールの一つを開く。明史はその画面に目を凝らした。数十分前に志音からメールがきていた。
「いつの間に若宮と仲よくなったんだ?」
 メールには、「無事に家へ帰っているのか、右足の調子はどうか」と書かれている。手を伸ばしてケータイを取ろうとすると、黒岩がその手を払った。
「おまえも他の生徒と変わらないな。若宮みたいなのがタイプか?」
 明史は、「違います」と否定した。志音が好きだと知られたら、黒岩は教師という立場を使って彼に何をするか分からない。
「なら、キスしろ」
 明史の切れ長の瞳から涙があふれる。
「い、嫌です」
 黒岩は明史の体をベッドへ押し倒す。
「恋人同士だって言ったんだろう?」
「そ、それは、そう言わないと、先生も、俺も、っう」
 黒岩の手が首筋へ食い込む。
「いいや、先生も、というのは間違いだ。この関係が明るみに出て困るのは、おまえのほうだ。おまえの成績じゃ、推薦は難しい。受験するつもりなんだろう? だが、おまえの親はどうだ? こんなことして、学園に留まらせてもらえるのか? 最悪、受験する前におまえは学園を自主退学、残りの学生生活は問題児ばかりの海外の寄宿制学校に入れられるのがオチだ」
 明史は泣きながら否定する。
「違うのか? へぇ、おまえの両親は、そんな親じゃないって? それはおまえがいちばんよく分かってることだよな? じゃ、おまえの親の愛情を試そうか?」
「いやっ、いやだ、だめ、やめて!」
 黒岩の言う最悪のシナリオは明史にとってはまだ最悪ではない。それ以上を明史は知っている。もし、学園で何か問題が起きたとしても、明史の両親は関心を持たない。振り向いてもくれない。
「明史、おまえは俺の言うことを聞いてればいい。そうだな、キスの代わりに、若宮を落としてこい。ああいう目立つ生徒はムカつくからな。落として、レイプされたって言え」
 明史は黒岩の言葉が理解できず、ただ首を横に振った。いくら風紀委員として取り締まる側の立場で、規則違反をしている生徒を見つけても、事実をねじ曲げて虚偽の報告をしたことはない。
「で、できな、っああ、あ」
 黒岩の手がバスタオルを奪い、まだたち上がっている明史のペニスを握った。
「恋人同士じゃないなら、優しくする必要もないな、明史」


17 19

main
top


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -