karuna 番外編1/i | ナノ


karuna 番外編1/i

 男達との旅はトキにこれからのことを受け入れやすくした。学園に戻れば、男達の相手以上に辛いこともあるだろう。
 学園の前まで来た時、目の見えないトキに代わって、男の一人が学園長を呼び出した。左腕を強く引かれてよろけると、学園長の声が響く。
「精霊達に恨まれていたのか?」
 馬鹿にするように言われ、トキは足を止めた。だが、すぐに腕を引かれる。
「代償はほとんどが生命力だ。視界を奪われるほど、嫌われていたんだろう?」
 傷つけるための言葉だった。代償が大きかったのはハルカが精霊王だからだ。だが、その事実を伝えるわけにはいかない。トキは瞳から涙をこぼした。ハルカに嫌われているかもしれない、という思いは、トキを暗闇に突き落とす。
「勝手に逃げ出した罰は重いぞ。ゼンレン王国はおまえを見つけてとらえた者に、六十万ルースを払うと通達していた」
 罪人にだけ装着される手枷と足枷の音が響く。学園長はトキの着衣を切り裂き、足を広げさせた。
「男をくわえながら旅を続けたのか。精霊と契約していないおまえを恐れる者はいない」
 オイルを指先に垂らした学園長は、トキのアナルを確かめた。先ほどまで男をくわえていたそこは柔らかい。彼は蔑みの視線を向けたが、目の見えないトキには分からない。
 学園長に犯された後、トキは教師達の相手もした。自分がどこにいるのか、分からなくなる。水だと言われ甘ったるい液体を飲んだ。頭から麻袋を被せられる。罪人がする足の拘束具の間に鉄製の棒が挟まれた。
 複数の人の気配に顔を上げる。
「こいつは罪人だ。好きなだけ犯していい」
 歓声の後、精霊使い達がトキの体を暴いた。凌辱という行為は、人としての存在を否定する。体の内側から壊される。トキは泣き叫んだが、助けてくれる手はなかった。

 十日ほど学園内の性欲処理係として扱われたトキは、馬車に乗せられ、ゼンレン王国へ移動した。ルシュタト王国国王の体調が芳しくないという噂はすでに聞かれていたが、トキの耳には入らない情報だった。
 その部屋に入った瞬間、トキは複数の精霊の気配を感じた。悲しみと痛みにあふれた声が響く。契約をして欲しいと請われたが、できなかった。国王が入ってくる足音が聞こえ、トキはその方向へ顔を向ける。
「どうか、彼らを解放してください。お願いいたします」
 トキの懇願は意外にも受け入れられた。国王は顔を伏せていたトキの髪をつかみ、そのまま上へと引っ張る。髪と同じ色のまつげは涙で濡れていた。罪人に施される枷をして、薄汚い衣服を着ていても、トキの美しさは隠されない。焦点の合わないトキの瞳が空をさまよう。
 国王はトキの体を台座へ置くと、手近にあった短刀を使い、衣服を裂いた。
「っひ、ぁ」
 胸の間に走った刃先が肌を切り裂く。かすめる程度ではなく、国王はわざと深めに切っ先を入れた。赤い血が刃先をつたう。それを舌でなめてから、彼は精霊達を振り返った。台座の上では拘束から逃れられないトキがただ震えている。
「これを犯せ」
 精霊達は拒否した。彼らはトキの慈愛に満ちた清廉な精神を感じることができる。そのトキを汚すことはできない。だが、国王は拒否を許さなかった。トキの右の太股へ短刀を突き立てる。
「っああ、い、い……ぁあっ」
 突き立てた後、えぐるように短刀を動かすと、白い太股からは赤い血があふれた。同時に光のないグリーンの瞳からも涙があふれる。
「おまえを犯した精霊は解放しよう。ほら、おまえからも頼め……でないと、全員、消えることになるぞ」
 ささやかれた言葉にトキは瞳をさらに開き、大きくわななくくちびるから、「……犯してください」と言葉をつむぐ。それでも精霊達が拒否すると、国王は逆の太股へ短刀を突き刺した。トキは叫び声を上げる。
「次はアナルだ」
 国王は台座の上で仰向けになっていたトキの体をうつ伏せた。尻と背中にはすでに、学園で鞭打たれた痕が残っている。


20 番外編2

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