karuna7/i | ナノ


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 液体はおそらく痛みを和らげ、幻覚を見せるものだろう。痛かったのは最初だけで、その後からは痛みの代わりに快感を拾い上げるようになった。教師の手が、まだ小さな性器へ触れる。薬の力で反応している体を罵られながら、トキは次々にペニスを受け入れた。
 体を揺さぶられるたび、ペニスから精液があふれる。心は拒絶していたが、体の反応は素直だった。悲鳴も嬌声も皮製の口枷が閉じ込めていたが、トキの中では精霊達がその声を聞いていた。主の危機に何もできない精霊達の怒りや悲しみが、トキをよりいっそうみじめにさせる。
 昼頃から始まった懲罰という名の凌辱は、夜の帳が降りる頃に終わった。トキは床に転がった状態で、虚ろに学園長を見上げた。彼の手には硝子ビンがあった。精霊石から強制的に精霊を出すことができる液体だと気づいた瞬間、それを右足にかけられた。
「っ、う、ぐっ、ン!」
「ベネト液を改良したものだ。契約している精霊を呼び出すことができる」
 印がまるで刃先で削られたように赤くなり、皮膚を裂いた。痛みに苦しむトキの前に、まだ回復していない状態のユズリが現れた。深い藍色の瞳から涙があふれる。教師達に拘束されたユズリは、昨日の恐怖から震えていた。
「呼び出されたら、ここへ来い。来なければ、これがおまえの代わりをすることになる」
 口枷を外された瞬間、トキは契りの言葉を唱えた。だが、ユズリは印へ戻ることができない。
「その赤みが引くまでは戻ることができない。一種の呪いだ」
 ユズリの絶望がトキの胸を黒く染めていく。トキはふらふらとユズリの前まで歩き、その体を抱き締めた。自分を重ねているような気分だった。トキはユズリを抱き締めながら、必死に嗚咽をこらえた。
「大丈夫。誰にも傷つけさせない」
 トキは自分の手で落ちていた服を身につける。股の間にはいく筋もの血の流れが残っていた。トキは気丈に振る舞ったが、心はすでに壊されていた。精霊使いとして役立つことで自分の存在意義を見出そうとしていたトキにとっては、耐えがたい辱めだった。

 ユズリが印へ戻ることができたのは一ヶ月ほど後だ。トキはすでに従順な態度で学園長達の相手をしていた。トキの望みは、いつか学園を出たら、契約している精霊達を解放して、自らの命を絶つことに変わった。
 台に手を置き、うしろから学園長に突かれていたトキは、ようやく解放された後、その場に座り込んだ。学園長が部屋を出ていき、トキは緩慢な動作で立ち上がる。目の前にある精霊石を見た。トキはそっとそれに手を伸ばす。きらきらと輝いている石から、まぶしい光が放たれた。思わず手から落としてしまった石を拾い上げると、誰もいないと思っていたトキの前に足があった。
 まだ相手をしなければならない人間がいたのか、とトキが諦観して見上げた先には、黄金色の瞳と同じ色の長い髪を持った精霊が立っていた。その精霊が精霊王になるべき精霊なのだと、すぐに理解した。トキと契約している精霊達が教えてくれたからだ。トキは敬意を込めて、立ち上がろうとしたひざを折り、頭を垂れた。
「私に名を与えろ」
 透き通るような美しい声だった。トキは頭を垂れたままの状態で、自分の股の間からあふれてきた液体に吐き気を覚えた。次期精霊王はトキに名をつけろと言うが、トキにできるはずがない。すでに五つの精霊達と契約を交わし、体力は限界だった。さらに、王になるであろう精霊に凌辱を受けている体を差し出すわけにはいかない。もっと適当な精霊使いがいるはずだ。
「できません」
 トキが答えると、まだ名のない王は左手でトキの首をつかみ、体を引き上げた。少しずつ上へ引き上げられ、つま先が床から離れると、首へ指先が食い込み、息が苦しくなる。だが、それは一瞬のことで、名のない王はトキのことを立たせると、そっと服の裾をはだけて、直接左胸へ手の平を当てた。


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