karuna6/i | ナノ


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 スィンの言う通り、精霊の泣き声が聞こえていた。契約した精霊と良好な関係を続けられれば、それに越したことはないが、中には乱暴を働く精霊使いもいる。トキは部屋の鍵を壊して、中へ押し入った。
 拘束されている精霊が四、五人の人間によって犯されていた。トキは怒りの沸点が振り切るのを感じながら、スィンの名を呼んだ。右手ではなく左手で剣を握っているトキに、精霊使い達は一瞬、怯んだ。トキは左利きであり、彼が左手に剣を持てば、それは本気の証拠だと言われているからだった。
 仲間である精霊使いを傷つけることはしなかったが、トキは犯されていた精霊と契約を交わしている精霊使いを脅し、契約を解除させた。自室へ戻った後、トキはその精霊をユズリと名づけた。ユズリはトキとの契約を快く受け入れてくれた。
 翌日になり、学園長室へ呼び出されたトキは、悪趣味ながらくたとしか表しようのない物ばかりが並んだ台の上に精霊石を見つけた。
「それはかつて精霊王が宿っていた石だと言われている。だが、すでに空の状態だ」
 学園長はそう言うが、トキにはその精霊石がきらきらと輝いているように見えた。声を聞こうと精神を集中させようとすると、うしろから教師達が入ってくる。
「さて、昨日の件で呼び出したわけだが……」
 一方的に続けられた話では、トキが他の精霊使いを脅して、強引に契約を切らせたということになっていた。それは違う、と主張する前に、ユズリの印が出ている右足を見られる。そのまま押さえつけられたが、印の数を確認されているのだと思った。
「っな……ん」
 教師達がトキの両腕を拘束した。全裸状態になっているトキは、疑いの視線を学園長へ向ける。
「学園内の規則は知っているはずだ。おまえのしたことは懲罰対象となる」
「そんな、俺はただ……意思とは関係なしに強制的なことをさせられる精霊を助けただけで、ここでは、精霊達と友好的な関係を築くことこそ立派な精霊使いだと教えているはずです」
 昨日の精霊使い達はその精神に反していた。懲罰対象となるのは彼らのほうだ。トキの言葉に学園長達は笑った。
「昔ながらの理想論を実践できるのは、おまえがまだ子どもだからだ。半年もすれば現実を知るだろう。おまえらはただの道具だ。その大半が軍事力として使われる」
 軍事力という単語にトキは拳を握った。
「あと数年のうちに、また戦争が起こる。おまえは両国から多くの金を吸い取れるだろう」
 学園長の指先が、トキの乳首をなでた。スィンを呼び出そうと口を開いた瞬間、その指先がくちびるへ触れる。
「精霊を呼び出してもいいが、五つもの契約を結んでいるだろう」
 トキはくちびるを噛み締めた。どんなに体力のある精霊使いでも二つの契約が限度だ。加えて、昨日契約を結んだユズリは回復するためにトキの力を奪っている。今の状態ではスィンを呼び出したとしても、不完全な人型でしか出せない。
「五年以上もの間、手を出さずにいてやったんだ」
 学園長はトキの体をうつ伏せにすると、日に当たったことなどほとんどないような白い臀部へ触れた。すべて仕組まれていたことだ。トキは昨日、ユズリがされていたことと同じことをされるのだと分かり、口を開く。だが、その口が精霊達の名前を紡ぐことはなかった。不完全な人型で呼び出せば、教師達に押さえこまれて、彼らが相手をするはめになるかもしれない。
 印が刻まれた部分に痛みを感じる。精霊達の声が聞こえた。トキが歯を食いしばると、力を抜けと命令される。アナルへ押し込まれた指には、オイルが塗られていたが、それでも、トキの体は外部からの侵入を防ごうとした。
 乾いた音とともに尻を叩かれ、十分に解したとは言えない状態で、学園長の猛ったペニスがアナルを貫く。
「っあああ」
 今までに受けたことのない痛みだった。痛いと思うと同時に炎の中へ手を入れた時のような強烈な熱さがあった。開いた口の中へ液体を注がれ、口を押さえられる。トキが苦い液体を飲み込むと、口へ革製の枷を巻かれた。


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