日常的風景−蔵謙−



ある日の部活終了後

「謙也が足りへん…謙也、どっか寄って帰らへん?」
「寄らへん。お前について行ったら変なとこ連れていかれるから嫌や」
「変なとこって人聞きの悪い!ただ俺は謙也の補充をしようと…って何食べてんの?」
「飴ちゃん」
「俺も欲しいなぁ。そう言えばお腹空いたなぁ…
 なぁ、謙也。それ今舐めてるやつちょうだい?舐めかけでも口移しでも全然気にせぇへんで」
「ほら。新しいやつやるわ」
「………」

バリボリガリゴリ

「謙也ー!飴ちゃん!!」
「ほれ」

ガリゴリバリボリ

「謙也ー!あm」
「ん」

ガリゴリ……

「けn」


「小春…白石が凄い勢いで飴貪り食ってるんやけど…」
「…そうまでして謙也くんが舐めてんの欲しいのかしら」
「あ!ついに無くなったみたいやで。どうするつもりや、あいつ…」


「ハァハァ謙也…ついに無くなったで…。今度こそ謙也が舐めてる飴を…!」


「あ、鞄からまた新しい飴の袋出しよった。さすが、よう分かってるわ…」
「さすがよねぇ…。蔵リンもいい加減諦めたらいいのに」
「まぁ、諦めるぐらいやったら、毎日同じことせぇへんやろ」
「それもそうね。さて、さっさと帰りましょうか」


20100607

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