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重度のヘタレと検索して一番最初にもしかして…の部分はきっと私の名前がランクインするだろう。友達を作ろうにも、どんな話をしていいのかわからなくなってしまったり、ドジな性格からか、嫌煙されがちだった。けど、お兄ちゃんみたいで、やさしくて見守ってくれる庵さんが唯一の味方。あ、でも、最近は圭ちゃんのおかげでたくさんお友達ができるようになった。話がズレたけど、私は庵さんが大事で、隣に女の人が歩いていたら嫉妬してしまった。圭ちゃんいわく、それは恋だと。


でも、初めての恋愛だから、まだわからない。
じゃあ見つけよう、と考えて出てきた答えは自分からデートに誘うことだった。我ながらいい提案だと思う。


庵さんが経営しているバーへ向かった、ちなみに私がその答えにたどり着いたのは因幡さんだから、因幡さんたちも同伴になっていた。結構恥ずかしい。

庵さんは私が来ると「どうした、急に来るなんて珍しいな」と言って頭をなでてくれた。顔を赤らめながら庵さんと目を合わせて誘ってみる。


「庵さんっ今度、私と一緒に映画見に行きませんか!?」

「ああ、いいよ」

「っ!け、け、圭ちゃん!い、庵さんがいいって!」


圭ちゃんの背中を全力でたたいていたら因幡さんが全力で止めに来た。うれしさを極限まで表現したのに。ゴホゴホと咳き込んだ圭ちゃんは庵さんに確認をとる。


「落ち着こうね我がお姉様!庵さん、いいんですか?」

「女の子からのデートのお誘いは断らないぞ?」

「圭ちゃん、圭ちゃん、何着ていったらいいかな!?」

「その迷彩服はやめようね」


優太くんに手渡された洋服を見せると圭ちゃんは秒速で服をとった。待ち遠しいデートに顔を緩ませていると、因幡さんは頭をやさしくなでて「娘を嫁に出す気分だ」と涙を流しながら口に出した。すみません、娘じゃないです。



***


デートプランを人と終ってしまい、帰路についていた。私は住み込みで働いているから、途中まででいいといったけど、庵さんは紳士な笑みで「送っていく」と言ってくれた。二人で歩いていると、庵さんは煙草をふかしながら私に聞いてきた。


「俺の趣味が映画っていうこと言ってたっけ?」


小さい頃の話だから覚えていないのは無理ないか。苦笑を交えて私がうなずいている姿を見た庵さんは「え、言ってた?」と慌てていた。自分の指先を見ながら、答えた。

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