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今日も遊びにきやがった荻野先輩は私に柚樹先輩のクレームを言いに来た。
だったら柚樹先輩本人に言って欲しいわ、ってか携帯の着信音くらい自分で変えられるだろうが三十路!と言い返すとすぐに「後輩があいつの面倒を見るのは決まっているだろう」と怒られてしまった。
泣く泣く柚樹先輩のいるカフェテラスへ足を運んでみるとステラと一緒にケーキを舌鼓している。
「ゆずき、美味しいね!」とステラは花をちらして笑顔になる。
私だって先輩と一緒に食べたいけど、後輩って身分は先輩から誘われない限りできない。
外の方で待っていると柚樹先輩はステラとどこかへ出かけようとしていた。
これはまずい、急いで私は柚樹先輩を捕まえに歩いた。
「柚樹先輩、待ってください。そのまま回れ右をして止まってください」
「ん、おお!なんだミョウジ!先輩がなんでも聞いてやるぞ。ケーキか、それとも洋服か?」
その素敵な笑顔だけは平常運転で100点ですよ。
私の両肩に手を置いてらんらんと輝いていた。
若干私はそれに引きつつ迫ってくる柚樹さんをおした。
「いいや、そうじゃなくて、柚樹先輩。荻野先輩がこの間の着信音について文句を言いに来たんですけど」
「まま、それはいいとして。なんだ、この際デートでもするか」
クルっと方向を変えて私の肩に手を置いたままどこかへ行こうとする。
ちょっと待てって!だから最初に荻野先輩のところへ謝りに行ったほうがいろんな意味で身のためだと思います、本当に、マジで切実に。
金髪をちょいちょい引っ張りながら私は柚樹先輩を止める。
「いや、先ほどなんでも聞いてやるぞって言いましたよね!?」
「言ってない、幻聴か?」
「…先輩、荻野先輩にちょっかいをかけるのは大目に見ますけどそれに対してのクレーム受付を私にしないでください」
「した覚えはないぞ」
「あんたが逃げるからそうなるんだよ」
ため息混じりに私がそう言うと、ちょっと不機嫌そうになった。
あまり見せないその顔に目を見開いて私は「先輩?」と声をかけると、柚樹先輩は私の頭の上にポンっと手のひらを置いて次の瞬間視界が柚樹先輩の顔いっぱいになった。
「じゃあ俺と一緒に逃げようか」
「は?え、ちょっと柚樹先輩!?」
お姫様だっこされていて、私は近くにいるステラを見ると「ステラも!」と飛び跳ねている。
そうだね、女の子の夢だけど年齢制限あるから。
顔を赤らめて私は柚樹先輩を押し変えているけど変わらない笑顔で私の額にキスを落とした。
ステラが上機嫌で私に「しゅごい!」っと言ってくる、まだ幼いのにこんなことを見せてはいけないだろうが!
「いやぁ、俺一度やってみたかったんだよね〜」
「それならステラさんとかにっ」
「確かにシークレットドーベルマンにやるのもいいけど、一番やりたいのはお前だ」
「…?ハイ?」
私は柚樹先輩がさらりとへん気に入った言葉にぴたりと固まった。
一番?か、からかってるんだよね?おずおずともう一度柚樹先輩の顔を見るとすごく真剣そうな顔。
「俺は動物が好きだ、でももっと俺はお前のことが好きだ。
このまま持ち帰っていいか」
「ダメです…」
「抵抗しなくなったってことは、期待しちまっていいか…ミョウジ?」
腰砕けるような声音で耳元で囁くとそのまま歩き始めた。
「っへ、変な期待は、しないでっく、ください!警察内で言われたら私」
「そんときは俺がもらってやるから安心しろー」
「っ…!」
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