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悪い男ばっかり引っかかるこの生まれついた時からのツキを直して欲しい。
一番初めに付き合った男は、実はホモでしたなんて笑顔でさらっと言う奴だった。
二番目に付き合った男は妹とかに手を出すような極悪非道な野郎だった。
三番目に付き合った男は前の彼女から抜け切られないめんどくさい人だった。
三回もこういう経験をしているうちに、あ、私って男運ないんだと感動を覚える。もっと早くに気づいていれば人生の半分は無駄にしなかったのに。嗚呼、殴る壁が足りない。今更悩んだって仕方がないか、だから今日も仕事に打ち込もうと割烹着を羽織った。


「ねえ、今度一緒に美味しい中華食べに行こうよ」


今日も仕事に打ち込もうと薬草を手にとって選別する。


「あ、それとも現世に降りて映画でも見に行かない?」

「白澤様、そろそろ口説くのもお止めになった方が」

「そんな堅いこと言わないでよ、僕だって結構彼女に必死なんだよ?」


足元には薬学を頭に叩き込むために何やらメモを残すウサギさん。
今日も可愛いな。なのに、なぜあの男はニヤニヤと笑いながら私に話しかけるのか理解不能だ。
桃太郎さんが牽制するけどまったくもって耳を貸さないあの男に腹が立ってきた。
兄貴分の鬼灯様から誕生日プレゼントでもらった金棒をひと振りしたら黙ってくれるだろうか。


名案だ、私は立ち上がって立てかけておいた金棒を握る。


「ああああああっやめてください、お怒りなのは分かりますけどそれを振り回したら」

「当然ここはブッ壊れますね」

「え〜なら僕と一緒に新しい家でも買っちゃおうか」

「アンタは黙ってろ!」

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