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「あなたの頭のネジのゆるさに泣けてきますね」
「すみ、ません」
「そんなところも可愛いです、今すぐ私に『ご主人様、接吻してください』と言えば許してあげましょう」
ドSの上司が何を言い出すかというと、こんな言葉だ。ある意味変態騒ぎだ、セクハラ問題で仕事辞めてやる。と言いたいところだが引く手数多の地獄ではここよりぬるい仕事なんてどこにもない。私はぬるい仕事を求めてここに居るわけではないけれど、ハードな仕事を受けるメンタルなんて持ってない。
私は間違った書類を上司から受け取って執務室へ戻ろうとするが、そこで出会ったのは閻魔様。上司の上司。
だが、私の上司は閻魔様を敬うことはない。この職場って本当に大丈夫なのか。
「いやぁ〜久しぶりだね」
ご機嫌そうに笑顔で私に声をかける。団子鼻に、少々タレ目な、まあ、恐怖を抱くには少し物足りないような強面。フレンドリー精神を持った閻魔大王に私は敬愛を示した。
「いつもお疲れ様です、閻魔様」
「ああ。そういうや聞いたかい?鬼灯くん、結婚するんだってね」
「…は?」
寿退社ですか、と口に出そうと思ったが先に言われてしまった。「ここはやめないけどね」と、口を尖らせている閻魔大王。私もそういう気持ちです、本当に。
切実に思います。
「いやあ、おめでとう」
「はい?」
「何言ってるんだい、君たち結婚するんじゃないの?」
何を言っているんだい閻魔大王。
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