南烈は豊玉に入学してこの高校を呪った事が二度あった。一度目は恩師北野をクビにした時。二度目は壮行会という行事があることを知った時だった。 「それでは、IH予選に出場する部活動の皆さんの入場です!」 生徒会長の張り切った声とは裏腹に、入ってくる部員達の顔はどれもけだるい表情。バスケ部も例外ではなかった。部長の南がプレートを持って1番前を歩く。何この仕打ち俺が何をしたってゆうんや。彼は思った。思い当たるフシがありすぎた。彼は考えるのをやめた。 「――続いて、チアリーダー部による応援ダンスです!」 「はああ」 大きなため息をつく豊玉バスケ部キャプテン。校長の無駄に長い話やむさ苦しい応援団の後にチア部のダンス。彼はこの時が壮行会の中でも1番嫌であった。 「名前ちゃーん!」 「こっちむいてーや!」 「一発ヤらせてやあ!」 中途半端な不良軍団が南の彼女、名前にむかっていやらしい視線や野次を飛ばす。今すぐに目を潰して回りたいと思う南の目は鰐もビビって固まりそうな程座っている。 豊玉のチア部、またの名をギャル部はその名の通りほとんどがギャルや可愛い子で構成され、普段は何もしないくせに壮行会の時だけ集まって応援ダンスとかいうものをするだけの部である。それだけなら別にかまわない。問題は衣装である。『豊玉』と大きくプリントされてあるお世辞にもお洒落とはいえないTシャツはどうでもいいのだ。原因はひらひらと舞う短すぎるスカート。要するに、名前の足が他の男共にみられているのが嫌な南烈であった。 「ああああそないくるくる回ったらあかんパンツみえるやろ…」 「あん?なんかゆうたか?」 「もーはよ終わってくれ…」 眉間に若干シワをよせ、心配そうに彼女を見つめ独り言を呟く南を誰がエースキラーなどと思うだろうか。気持ち悪そうに南を見る岸本。 「いやーしかし名前ちゃんかわえーなあ南」 「見るなエロタラコ殺っそ」 「アホウ、俺は田中さんみんのに忙しんじゃ」 田中さんとは豊玉一の巨乳をもつ女。前にプリントされてある豊玉という文字がなんてかいてあるか読めないくらいデカイ。田中さんを見る岸本の顔は半笑いで目はおっぱいになっている。 「みんな岸本になったらえーのに…」 名前を心配し過ぎて頭が壊れた南。確かにここにいる皆が岸本になれば間違いなく名前ではなく田中さんを見ているだろう。しかしよく考えていただきたい。 それはそれでとても気持ち悪い 気持ち悪い種類はおそらく胸やけ (とりあえずあいつら殺そう) (南?どこ行くねん、なあ、南!?) ――――――――― 絡み0ですね。 そしてまたもや岸本氏の扱いが 酷すぎる件。 岸本好きな方すいません… それはそれでとても気持ち悪い |