レッドさんが半妖設定パロ。

君と繋がるなにかがほどけても、きっとこれは愛だとはうたえないのさ。

からから、からころと下駄が鳴って不気味な夜の帳に響いた。小指だけを絡めて俺とゴーは真っ赤で立派な神社の敷居を潜った、俺が何も居ないことを確認するため敷居を見上げて居たからか、ゴーは不思議そうな顔をしていた。
「ん、大丈夫、なんにも居ないよ」「…何を見てたんすか?」「ああ、…敷居があるんだよ、大きくて真っ赤な。」「へえ、流石…曰く付きの森ですね」
ゴーには色鮮やかなこの赤い敷居は見えない、何故ならゴーは“人間”だからだ。この森は流石に特殊だからゴーにも感じる部分はあるらしいが、それでも俺が今感じている恐怖と快感やらでべったり、どろりとした奇妙な感覚は分からないだろう。俺も表現し難いし。
まあそれは俺が“半妖”だからかも、だけど。
「この森では人が良く消えるだろ?それは妖怪のせいでもあるんだけど半分は人間がこの敷居を気付かずに潜っちゃうのもあるんだ。んで、消えちゃうの」「神隠し…?」「そうだね神隠しとも言う、消えた奴が何処に行くかは俺達も知らないから、意味は違うけどまさに神のみぞ知る、ってね」「怖いっすねえ」渇いた笑みを俺に向けた、何も言わずに俺も笑って汗で滑るゴーの小指を強く握った。祠まで、あともう少し。
ここでひとつ、お浚いをしようか。
俺は、半妖だ。んでゴーは人間ね。
俺の生い立ちはまあ普通に獣の父と人間の女が孕んだ子供、まあそれだけです。細かくもっと大雑把に言うとして、例えば歳の経過は人より三分の一早い、ゴーは今十四歳で俺は今年で十七歳になる、けど産まれた年は一緒。微妙に獣の血が混じった俺のが早く老けやすい、だけ。
後は外見と中身。外見はあまり人間と変わらないが俺の目は真っ赤だ。淀んだ血の色ってより、こう造られたままの原色の赤みたいな異様な眼球。さらには暗いなかでも光る特典付き、いや要らねーけど。んで、女々しく言えば歯が結構固くて尖ってたり爪と髪の伸びが早かったり鼻が異常に良かったりまあ人間より多少特化してる感じかな。
そして中身、造りはやはり結構異なるみたいで、俺には異形のものや異端ななにかが見える。そこらへんは父親の血をちゃんと引いているみたいだ、だってじゃないとこんな異端な場所で異形じゃなかったら神隠しに合ってる筈だ、し。
「ゴー、止まって。繋がった指だけ見てて」「ういっす」鬱蒼とした森の中、何もないぽっかりとした空間にそれは存在している。ゴーには何も見えないだろうが、これは“境界”だ。妖怪と人間を阻むためにある小さく、古びた祠。その向こうに続く細い獣道が異界の入り口だと、グリーンが言っていた。

さて、それじゃあ。
「ゴー、お前の腕、ちょうだい?」

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -