埋葬出来ない、と思ったから、隠そうと思った。
埋葬など、どうせ一生出来やしないのだ。

幸せだった、そばにいてお互いの呼吸を感じて、笑いあえることが、チープで陳腐で在り来たりな言葉だけど、それしかこの絡み合った感情は言い表せやしない、何度も繰り返す、幸せでした。
だから、それ以上の幸せを、望んだ。お前と幸せになりたい、そう、言えば、お前が柔らかく笑ったんだ。


不格好な水色の鶴と、綺麗なオレンジ色の鶴を勉強机の一番下、鍵が着いたその一角。整頓が苦手な俺がそのスペースだけ片付けて、ふたつの鶴をこっそりと隠した。

ぱたんと小さな音を立てて閉じられた秘密の宝箱には、幸せの形が仕舞われている、だから鍵はお前に預けに行くよ。

一生、無くさないようにと、俺はこれからも、大事に大事に、秘めておく。

お前と二人で、秘めていく。


0112/僕が染まるアルバートル

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