ゴールドに向ける感情が純粋なものだとは、流石に思ってはいないけれど、それでも一方的な愛の押し付けはしていないと思いたいものだ。 「大好きだよ、ゴー、大好き」 なるべく真っ直ぐな気持ちだけを込めて照れながら俺がそう言えば、ゴールドは困ったように笑った。なんで、だろ、お前をそういう気持ちにさせたいわけじゃないんだけど、どうにも空回り、上手くいかないんだ。お前に向けたベクトルが全て跳ね返されて、まるで偽善だと断罪するように俺の胸に深く突き刺さるんだ。 「俺は、あんたを殺したいよ殺したくて殺したくて殺したくてたまらないんだぜ」 そんな痛々しい顔をするくらいならこんな風に俺を攻めて責めて、せめて、殴ってくれれば良かったのに。お前に否定されるのかと、拒絶されるのかと悲鳴を上げて怖がる心臓が、お前を求めて止まなくなるよ。 ゴールド、俺は、俺は、俺は、さ。 「ゴールド、俺はお前を、抱きたい」 (ほんとはね、お前の身体だけでは無く、お前の優しい心も抱けたらな、と思ってたんだよ) ∴ 始めに戻れば重ならない重心が二重になるね。 |