「自由にしてあげる、よ」
握られた両手を離された、するりと空気を切り裂いて、だらりと落ちる、そうしてふわりと笑みを浮かべて放つ、言葉の意味が、俺には理解出来なかった。

「…レッド先輩?」
「自由に、してあげる」
同じ台詞を繰り返す、首を傾げて先輩を見上げればいつもと変わらない、優しそうな笑顔。いや、先輩は優しい、優しいけど、怖い人、だ。俺にとっては、そう、だ。

「もう俺の事を切り捨てていいんだって」
「切り捨てる?」
会話が成立しない、疑問を投げ掛けても答えが帰ってこない、返ってくるのは変わった返答、変答、変更、こんなの、ただ平行線が続くだけだ、結局先輩は何が言いたいんだろうか。

「ゴーが望んでいた、関係になろう」


言葉が通じない。


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